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今夜、ロマンス劇場でのScreen7のレビュー・感想・評価

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
3.9
さまざまな名作映画へのオマージュ要素がたっぷりで、映画愛に溢れていました。お姫様生活に飽き飽きしたヒロインが飛び出しちゃうのはローマの休日だし、映写室から映画を観るために映画館に通う映画狂っぷりもニューシネマパラダイスみたいだし、他にも沢山。
映画好きの人の中でも、映画館派の方は特に堪らんでしょう!何度行っても映画館は特別な場所だし、映画館で映画観る時間ってやっぱり至福の時間!

"どんな映画にもいい所は必ずあるんです"と言って、人々に忘れ去られたある映画を観続け、その映画のヒロインに恋する青年・健司。
最初は美雪に振り回されまくりな健司で、2人のやりとりはザ・ラブコメ映画。でもそこから美雪の秘密を知ってからが切なさMAXな展開で、流れが変わります。
大好きな人に触れることができない辛さは、「ゴースト/ニューヨークの幻」を観たときと同じ気持ち…。電話ボックス越しのキスは、精一杯の触れ合いというかなんというか。本当に切ないです。
時が経って… 老いない美雪と、老いる健司。
時が止まった映画の中の人と、時が進む現実世界の人。
キレイなものを挙げる遊びで、蛍じゃなくて、蛍を見ながら言ってくれた"言葉"っていうのがすっごい良いですよね〜。愛を感じる。

ドラマの「ホタルノヒカリ」を見て以来綾瀬はるか大好きなので、沢山のレトロで可愛らしい衣装を着こなす彼女を見られて大満足!!
「見つけてくれてありがとう」
シンプルな言葉だけど、美雪の愛情がぎゅっと詰まっている台詞だなと思いました。

150円で映画が観られる時代。
解説読むと、設定はがっつりファンタジーなのに、白黒映画時代の日本の映画界の歴史を物語に挟んでいるということで、そういう情報を知ると、より面白く感じました。

お金に貪欲な本多さんは良い人だったし、健司との関係性もいいですよね。"映画ってのは儚いもんだな"って彼の台詞がすごく切なくて印象的。
ハンサムガイも思わず「勉強になります!」って言いたくなるくらいいいキャラでした。嫌な登場人物が全然出てこないから見ていて心地が良かった。

"もし本当のロマンスに巡り逢えたら
きっとこの世界も
映画みたいに輝いて見えるんだろうな"
ファンタジーならではのキラキラさと、まっすぐで美しい愛が眩しかった〜〜
実写化が多い最近の邦画なので、久々にオリジナルストーリー観られて満足。良かったです。
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