キャサリン子

今夜、ロマンス劇場でのキャサリン子のレビュー・感想・評価

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
4.1
これほど素晴らしい作品とは思わなかった!
予告編だけであらすじはほぼわかるんだけど、良い意味で期待を大きく裏切られました。

映画の世界のお姫様がスクリーンを飛び出し現実の世界にやってきて、映画好きの青年と恋に堕ちるというファンタジーラブストーリー。
同じ時間を過ごすうちに二人は惹かれ合っていくが、彼女は人に触れると消えてしまうという秘密があった。

好きな人はいつもすぐ傍にいるのに、触れることができない。
身体を重ねることはもちろん、キスも、手を繋ぐことすらもできない。それを、一生貫く。
これぞ、まさに究極のプラトニック。至高の純愛。
ふたりが心を通わせてからラストにかけては切なくて切なくて仕方がなかった。
突っ込みどころもたくさんあるんだけど、そんなことはあまり気にならなかった。それくらい、ハマってしまいました。


また、本作は主人公をはじめとして映画に関わる登場人物が多く、映画愛に溢れる台詞が盛沢山で、設定を含め映画ファンには堪らない作品でした。

そして、とにかく映画全編で色彩が美しい。
ヒロインが“モノクロの世界からやってきたお姫様”で、現実の世界の「色の美しさ」を知るという設定なので、とにかく「色」を鮮やかに美しく撮るということに懸けた製作側の意気込みを感じました。
この作品を映画館で観た人が羨ましいです。

ラストも、この物語にふさわしい納得のエピローグでした。
エンドロールで映し出された彼女の写真も、彼の愛情の深さが伝わってきて泣けた(泣)。

バカバカしいラブロマンスものかと思って完全にナメてました。
もっと早く観れば良かった!
キャサリン子

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