あもすけ

ニワトリ★スターのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

ニワトリ★スター(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

現実も夢も境目とかあるのだろうか。どっちかが酷かったり、どっちも酷かったり、酷いところからしか見えないその瞬間だけの景色が夢みたいに美しかったとして、だからそれは夢で、酷いことだけが現実だとか、そんなわけないし、その逆だってそうだし、自分のこと以外は何にもわかってなくて、それは自分のことを分かってるのかホントに、というのとは違う次元で、いつも分かってないまま自分なりの捉え方で関わっていくしかなくて、だからそこにはいつでも、本当はそうだったんだな、というの有りきでいろいろ思ってしまうところが、薄情だといわれるのなら薄情なのだろうな。でもお互いがそう思い合えているのが一番好きだから、天国のような地獄も、地獄然とした地獄も、そんなのあるかよというくらいに馬鹿みたいなことで生き延びて、そんなのあるかよというくらいな現実に殺されて、漫画みたいな幸せにかっ攫われることの全部を、彼のリアルと捉えてしまいたかった。生きてることだけが本当に大切だとしたら、死者と挙式を挙げるのも彼女の、月まで行ってしまうのも彼らの、生きてる側の自分勝手として、すごく素敵だと思ってしまった。真っ暗でもそこから見える光を、見えなかったことにしないまま、死ぬなら悔しくて死にたいし、生きようとしてた彼の目のことを思って生きたいと思った。
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