てぃだ

マイティ・ソー バトルロイヤルのてぃだのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 折角地球を救うために頑張ったのに、『シビル・ウォー』で仲間外れにされた上に新キャラに存在感を奪われたことがよっぽど悔しかったのか・・?と思わず訝ってしまうぐらいソーとハルクの二人のはっちゃけぶりが気持ちいい。この二人、個人的にはアベンジャーズ組の中ではいまいちその魅力が分からない組なので、この二人を主役に出されてもなぁ・・という不安の方が強かったんだけれど、無駄にシリアスになりがちな二人の掛け合いをコミカルに描くことに見事に成功。そこにソーの弟ロキが加われば、これ以上何を望む。まさかお気に入りのキャプテン・アメリカにアイアンマンにスパイダーマンという3人が出てこないのにこんなにも楽しいとは思わなかった。い・・意外。とっても意外。いやいや嬉しい誤算というやつ。







 ノリ的には僕が大の苦手な『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に通じるかもしれない。それなのにこんなにこの世界を堪能している自分に驚く。世界の終わりだの故郷の消滅だの扱っているテーマは至って暗いはずなのに(「国は人だ」ってどっかの日本のマンガで読んだような気がw)、明るい場面の方が目立つ。アクションシーンは完璧に近い爽快さだし、陽気な空気感が楽しい楽しい。ハルク、まさかこんなにデカイだけのわがままベイビーだとは思わなかった(なので正直ちょっとイライラする瞬間もあり。人間に戻ってまでも情緒不安定で情けない感じでちょっと驚く。)ソー、いつの間にかかなり「自分はヒーロー」という自覚に目覚め、事あるごとに決めセリフを吐き吐きヒーローたるべき者の魅力を存分にアピール(ハンマーとの決別にはちょっと泣く。ハルクにボッコボコにされたり振り回されても全然ブチ切れない懐の大きさまで見せ、ますます頼もしくなった。)今回はヴィランにケイト・ブランシェットまで登場。ブランシェット、もう頭からにょきにょき生えている昆布?やサンゴみたいなスタイルだけでおかしいのに超ノリノリであの声で高笑いでこっちが笑う。し、新ヒロインも見せ場が存分に与えられていて何だか見ている間中顔ニヤニヤしっぱなし。







 といってもやっぱりこのシリーズ最大の見せ場はロキだ。今回も相変わらず事あるごとに裏切る。気まずそうな表情、楽しそうな表情、敵の懐に上手にもぐりこんだ際のドヤ顔、ハルクの登場に心底怯える表情。とにかくロキの顔。もはや芸術(と呼びたい)。見ているだけでおかしくてしょうがないのは今回も健在。かつてこれほどまでに黒髪と表情だけでおかしかった悪役がいただろうか。「ねぇ。。ぼくちゃんてさ地球に戻ってもいいのかなぁ?」なんて兄貴に相談する様とかお前かわいすぎかよ!!!今後のアベンジャーズ組の中ではドクターストレンジのライバル的な立ち位置になるんだろうか(といっても今回さんざんぼっこぼこにされてたけどね)。兄貴は髪形変えたりとか自分の最愛の恋人ともいえるハンマーを失ったりとイメチェンに必死で(僕はこっちの方が断然好きだけど)、「お前はいつまでも変わらないな。進歩がないな弟よ」なんてあなたをバカにしてけども、いやいやあなたは無理して変わらなくていいのよ。黒髪ゴシックでいつまでも情けない卑怯者の裏切り者でいてほしい。ほんと、これからも可愛いロキ様でお願いします。
てぃだ

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