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マイティ・ソー バトルロイヤルのTEPPEIのレビュー・感想・評価

4.6
まずはじめに今作でカメオ出演してるマット・デイモンとサム・ニールには爆笑必至になること間違いなし!笑
「マイティ・ソー ラグナロク」は単純明快という言葉どおり映像のあそびと脚本のあそびが上手い映画であり、マーベル映画の中でも面白いといえる。ということは本作こそソーシリーズでは1番出来がいい。前作は制作側も満足していない若干やっつけな映画だったが、本作の監督タイカ・ワイティティのセンスが功を奏してくれた。たとえばこんな話がある。トレーラー公開時から何かとテーマ曲として使用される「移民の歌」は、ワイティティ監督がマイティ・ソーシリーズを鑑賞するなかでどうして移民の物語なのにこの曲を使わないんだ? 使ったらエキセントリックだ!とディズニーに提案した後日には制作側が音楽の使用権を獲得していたのだ。しかもこの「移民の歌」は今回のテーマのひとつにもマッチしており、よりこの映画を面白くさせ、興奮させてくれる相乗効果を発揮した。死の女神・ヘラの復活とともに故郷アスガルドを乗っ取られ、さらに宇宙の彼方に飛ばされてしまうソーとロキ。しかもその星はグランドマスターが支配する闘技場エンターテイメントを提供する星だったとどちらかといえば「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のような、壮大な宇宙冒険物語になるかと複雑な思いだったが、ソーの映画としての作品、質を落とさず時々笑わせて時々ハラハラさせるので最後までテンポよく楽しめる。キャラクターたちの深みこそあまり描かれないが、ポップな描写とロキのナイスキャラぶりの活躍、さらにいつも通りマーベルヒーローの共演によってシリアス調だった本シリーズを上手く明るい方向にし、良い続編として完成している。それにしてもよくここまでマーベル映画は練ることができるなぁと感心するばかりで、一本一本博打である大作をフランチャイズにも関わらず飽きさせないレベルの高い完成度で提供し、今後も続くマーベルの世界に毎度期待を持たせてくれる。
すっかりソーが板についているクリス・ヘムズワースとロキのトム・ヒドルストンの安定感。さらにヘラを演じたケイト・ブランシェットの楽しそうな悪女ぶり、イドリス・エルバとなんか脇役の多いカール・アーバン、そして今回ヴァルキリーを演じたテッサ・トンプソンのお茶目ぶりと豪華キャストを堪能できる。申し訳ないが浅野忠信はただただ英語と演技が良くない。ハリウッド作品に出演する以上、やはりあの英語はちときついです。ワイティティ監督自身も出演しているのでぜひチェックを。
マーク・ラファロはいつも楽しそう。
総評として「マイティ・ソー バトルロイヤル」は邦題はアレだが、きちんとしたアドベンチャー大作になっており、最後まで観客をワクワクさせてくれる。しかしそのポップさの特色はワイティティ監督とマーベルの新たな融合として機能しており、これまでの作品に既視感を覚えない具合になっているので笑い、熱狂できる一本。マット・デイモンとサム・ニールにぜひ拍手を送って欲しいと思います。
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