140字プロレス鶴見辰吾ジラ

マイティ・ソー バトルロイヤルの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.1
”デス&トロイ”

はい、どーも!デスで~す。
はい、どーも!トロイで~す。
2人合わせて~カチャ、ズダダダダダダン
デストロイで~す!
って、お客さん皆殺しやないか~い!

神話で遊ぼう!まさに神々の何とやら。

タイカ・ワイティティ、よくやったり!

彼の作品は「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイヤ」を見たところだったのですが、彼の持ち味は”洒落化”ですね。「神々の黄昏」と題された重厚なバックグラウンドに、ヒーロー映画というポップさを投影するにあたって、神々の行為を洒落として飽きのこないコメディテイストでフックしていることに感銘です。

惑星1つ滅ぼすレベルの敵にもギャグシーンと軽口でサッと味付けして、任天堂のファミリーゲームのような彩を加えた、一見さんを土足で王宮に招き入れるようなファニーかつ爽快な作りになっています。心の余裕を感じながら、ソーやロキの兄弟関係を同人誌のような切り口でまとめることで、今作の洒落化が”分かりやすい”や”楽しい”というシンプルな納得感を示しています。当然、シリーズのキャラクターが死んでいく場面がありますが、喜劇の中で死んでいく悲壮感よりも、あるキャラクターのボンクラ感両手に正義のために散るシーンなどエモーショナルに役割を渡しているのも好印象。恐らくシリーズ初見でも大丈夫という保険をかけている印象はありますが、クライマックスのレッドツェッペリンの「移民の歌」がヒットする瞬間の爆発的爽快感は、映画に溺れていくような感覚をもたらせてくれます。

マーベルシネマティックユニバースが、まさに宇宙でつながっているという作品間のブリッジ要素もしっかり組み込んでいるため、重要度が高いが、「マイティ・ソー」というブランドにおいての優先度の高さを克服するための、エンターテイメント映画としての地位確立をさせた見事な一作である。