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MMAファイター:その栄光と苦悩のhamadonのレビュー・感想・評価

3.5
Netflixに追加されていた、「MMAファイター:その栄光と苦悩」を観た。
アメリカのタイトルは、「The Hurt Business」。
主にUFCファイター達の私生活を密着していたり、
UFCの1戦に向けるファイター達の意気込みがひしひしと感じられる
ドキュメンタリー映画。
選手のシンデレラストーリーなどのドキュメントは今までもあったが、
本作が向けているテーマは、どちらかというと苦悩の方。
オクタゴンの中では、キラビヤカに輝いている選手たちの多くは、怪我や敗戦に不安を抱えながら試合に望んでいる。
選手によっては鬱になる人もいる。
ストレス抱えて薬漬けになる選手もいる。

その中でも、特に印象的んだったのが、日本でも活躍したゲーリーグッドリッジ。

PRIDEの門番として、剛力グッドリッジは現在、脳挫傷?と戦っており、呂律が回らなかったり体も麻痺しているみたいだった。

病院通いの日々を過ごしてるグッドリッジを見ると、MMAとか格闘技とは一体なんなんだろう。と考えさせられた。

グッドリッジのインタビューでも言っていたが、派手なKOで観客が熱狂している一方で、敗者が怪我をして選手生命を絶たれているという事実。

これは異常な世界でもある。

ラシャド・エバンスの膝の怪我については手術シーンも流れるのだが痛々しくて辛かった…。
怪我で試合をキャンセルした時、また復帰試合できるのだろうか?
ビッグマッチを組んでもらえるのだろうか?という恐怖との戦い。
練習も踏まえて考えると、少ない報酬で暮らさなければ行けない不安。

このネガティブな部分を包み隠さずドキュメンタリーとして撮っている。
これは、視聴者としては選手に対するリスペクトのきっかけにもなるだろうし、日本でもこういうMMAファイターファイターに対してのドキュメント番組はたくさん作って欲しい。佐藤大輔さんで作って欲しい。

あと、これも面白かったのはUFCの歴史が知れたこと。
僕はUFCは1からずっと観ているし、ある程度の歴史は知っているつもりなので、懐かしいシーンがたくさん流れて良かった。

今のようなビッグビジネスにUFCが成長するまでに、
アメリカの州によってMMA禁止の州が多かったことも面白い。
州知事の意見も聞けたし、またファイターがその州知事に向かって、
「アイツは何も解っちゃいない!」とディスるところもリアルだった。

UFC意外にもベラトールやストライクフォースについても語られていたが、PRIDEに対しては全く無し。

それどころか、グッドリッジは劣悪環境な日本で試合をしていたから、今の後遺症に苦しむようになった様な表現もあった。

確かに今のUFCに比べると、当時のPRIDEは人気ファイターを毎回出場させて酷使させて、それによって選手寿命が縮まったファイターもいるだろうし、この映画のおっしゃる通りだよね…。
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