父として、夫として、弟として、作家として。
ひとりの男の再生の物語。
医者だった妻が突然失踪。売れない作家だったポールは生活ができなくなり、親子三人で兄のいる故郷に移り住む。
妻がいた頃には育児に非協力で、そのことで夫婦喧嘩も絶えなかったのに、果たしてシングルファーザーでやっていけるんかしらと心配だったけれど、子どものいない兄夫婦に助けてもらいながら、ポールも父親としてめいいっぱい愛情をそそぐ。なんだできるじゃん!とも思ったけど、そこはやはりいろいろと向かい風は吹くわけで……
無口で優しいお兄ちゃんと、天使みたいな顔と巻き毛の甘えん坊の妹ちゃんが、本当にかわいい!
母の失踪の真相が明らかになったときの子供たちの姿に涙、涙、涙、、、
ある親子との関わりもグッときた。
「ピアニスト」のときの線の細い青年から、いい感じに年齢を重ねたブノワ・マジメルの枯れた色気がものすごくかっこよかった。
個人的にブノワブーム到来の予感。