ピッツア橋本

グッド・タイムのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

グッド・タイム(2017年製作の映画)
3.7
“冴えない銀行強盗の行く末。どうしようもない胸糞悪さ。これぞ現代のリアリズム!”

銀行強盗に失敗した兄弟。逃げ遅れて逮捕された弟を助けるために、逃げながら救出の機会を伺う兄。しかし逃げれば逃げるほど果たしてどこに向かっているのかわからなくなる…的な構造。

一応、フィルムノワール。極めて小市民が織りなすアメリカの強盗未遂事件。
一見、映画的には物足りない気もしないでもないけど、それでも最後までそれなりに集中して見きれてしまったのは多分リアリティがあるからだろう。

「え、いまそれやる?」と思う主人公の言動が、実は本当に追い込まれた時の人間て実際こうなんじゃないか?と思わせる変な説得力がある。

アメリカンニューシネマぽいけど、その割には展開や演出が地味。その代わり彼がつく嘘がやり過ぎず無駄が無い。何か程良いゲスさ。
この手の話で一切銃が出てこないのもまた意外。

古いような新しいような不思議なバランス。
あー、こういう事毎日一回は世界のどっかで起きてそうだなあ。
なんて感じで観れた一本。
ピッツア橋本

ピッツア橋本