ウサミ

グッド・タイムのウサミのレビュー・感想・評価

グッド・タイム(2017年製作の映画)
3.6
シナリオにスタイリッシュさやエンドに向けての爽快さが無くとも、不穏感と緊迫感を常に漂わせながら話が進むので、画面へと惹きつけられる。

もう引き返せないとこまで来てしまった。とにかく可能性を模索して突き進むしかない。
話が悪い方へ悪い方へと転がっていく。転がり込んできたうまい話も、蓋を開けてみれば欠陥だらけ。目先に捉われて、いつのまにか自分の手で自分の首を絞めているような…

どんどん追い詰められて、その都度取り返しのつかないような無謀を繰り返す。

ズブズブと沼にはまっていく。
それに伴う人間の焦燥や、常に追われ続ける緊迫感と居心地の悪さを、独特なカメラワークと鬱蒼とした映像、そして素晴らしい表情の演技で表現していた。

結局、悪いことして簡単に尻拭いして綺麗サッパリなんて無理なんだろう。
実際は思いもしないハプニングが事を阻み、不安と焦りにかられ、解決の日差しが現れると解決してないのに安堵したり。
結局何のために、こんなにもがいているんだろう…?その先には何が待ってるのだろう?
この不穏感から解放される時は来るのか?それはいつなのだろうか?


なんとも人間臭く、感情移入のしやすいクライム映画なんだろうか!

「グッド・タイム」なんて、実に皮肉の効いたクールなタイトルである。
ウサミ

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