もう滅茶苦茶。
色んな意味で弟を助けようとする兄の話。なんだけど、そんな展開ある！？ってくらい行き当たりばったりの行動で裏目に出る。だけどこの展開は結構好きだし、正直笑ってしまう場面も多い。
なにより感動話に出来そうな話を、あえて社会風刺的に描いたのが良い。
まず助ける手段がどこまでいっても犯罪であり、他人に迷惑をかけまくる。これしか手はないと言わんばかりに罪を重ねる。
しかも兄弟映画でありながら、二人の過去話みたいなものがほとんどない。だから二人の絆がどの位のものなのか分からない。弟の気持ちを図る手段がないから、兄の一方的な押しつけのようにも感じてくる。
あげくあのラストシーンはもう辛すぎる。まさに監督の手のひらで転がされたような登場人物たちだった。
それにしても兄弟や家族を描いた作品で出てくる「遊園地」ってのは、なんでああも魅力的なんだろう。チカチカした遊園地の光が、この映画を思い出すたびに浮かびあがる。
