チッコーネ

ローラのチッコーネのレビュー・感想・評価

ローラ(1961年製作の映画)
4.0
スチールだけ見ていると、アヌーク・エーメ扮する子連れダンサーの一代記が連想されるのだが、実質的には群像劇。

サブキャラひとり一人をかなりしっかりと描いてみせるだけでなく、それぞれに大なり小なり関連を持たせたうえで怒涛のラストに雪崩込ませる監督の集中力は、見事の一言だった。90分弱という短いランニングタイムだが、とても濃密!

メロドラマ調の脚本を持ちながら、今観ても斬新で力強い構成を保っているという点は、正しく気鋭でヌーヴェルヴァーグ。また基調はあくまで大衆的なのが、人懐こいドゥミらしい。