マーチ

狂覗のマーチのレビュー・感想・評価

狂覗(2017年製作の映画)
3.2
【下半期鑑賞映画寸評:2017】

《苛まれ、学びの館が血に染まる。》

最初こそヌルい始まり方と会話の齟齬に脚本への苛立ちを感じていたものの、徐々に緊迫感並びに不穏さが高まっていく展開は良かった。ミステリーとしての軸は全くブレ無いし、寧ろ着実にラストに向け盛り上がりを作っていることが感じられて好印象。オチには多少の遣っ付け感があるにしても、徐々に闇に染まっていく世界観の中でのあのラストはある意味必然なのかもしれない。少しヒステリックが過ぎるような気がしないでもないけど、現代の教育現場を考えると目に前に突き付けられた社会的抹殺の現実から、狂気の沙汰を起こさずにはいられない逃避の衝動を駆り立てられることもあるのだろう。

タイトルがオチバレではあるが、『狂覗(きょうし)』という造語が「教師」とのダブルミーニングになっていて面白い。

自主制作っぽいけど、そこまで演出とか演技に浮いた印象を抱かなかったのも良かった。(そこが気になって評価下げがちなので)

学校には闇がある。
こういうのを観てると煌びやかな青春映画にばかり学生が足を運ぶのも分かるような気がする。


【p.s.】
下半期に突入しましたが、上半期鑑賞映画のレビューをまだ消化しきれていないため、下半期鑑賞映画も一部は寸評で投稿していきます。

いつもとは違い、極々短いレビューで投稿しています。暇があれば付け加える予定です。

従って、いつもの【映画情報】等もカットさせていただきます。

*詳しくは2017年7月3日に投稿している《『ローン・サバイバー』評》内の【p.s.】をご参照下さい。
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