米軍が最も恐れた男 その名は、カメジローの作品情報・感想・評価

米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー2017年製作の映画)

上映日:2017年08月26日

製作国:

上映時間:107分

あらすじ

ナレーション

「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」に投稿された感想・評価

たー

たーの感想・評価

3.5
こんな不屈の精神を持った人が本当にいたのかという感想。格好いい生き方とはこういう事か。男女平等の考えこの時代にはも信じられない。この映画は筑紫哲也の報道番組のキャスターが監督。公開1年ということで舞台挨拶があった。パート2も作成するとのこと。20分の特別版の報道もありラッキー。
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

3.7
この映画を観るまで瀬永亀次郎という人の事はまったく知りませんでしたが、反骨のジャーナリスト・政治家として中々に魅力的な人物でした。
沖縄は終戦直後こそ民主主義の啓蒙者としてのアメリカに好意的な空気があったようですが、収容所での待遇、婦女子への米兵の暴行、米軍用地をめぐる土地収用等の問題で占領者としての強権が発動されるようになると、必然的にこれに反発する空気が醸成され、亀次郎がその運動に身を投じるようになったのもむべなるかな、と思われました。
この頃の反米闘争というのは単純に住民としての権利の保障という基本的な要求によるもので、非常にシンプルであり、人々の共感を呼びやすいものであったことは容易に想像できます。
「反米のコミュニスト」としてアメリカ側からマークされた亀次郎とアメリカ側との様々なエピソードはこの映画の最も興味深いところで、痛快でもあり、なるほど希代のカリスマとしての亀次郎が伝説的扱いを受けるのも頷けるところです。

とはいえ、沖縄人民党員としての亀次郎には戦前からの共産党員としての活動があったこともあり、映画でこの点について意図的に避けていると感じるのもまた事実でもあります。
戦後間もなくから1970年代というのはいうまでもなく、東西冷戦期の真っただ中であり、共産党員に対してアメリカ側が過剰と思える対処をするのは時代的背景を考えるとこれまた当然の成り行きであったのではないかとも思います。(もちろんそれを正当化したり肯定したりするものではありません)
とはいえ、その思想の根幹がどこに立脚したものであったにせよ、これほどの人物が沖縄に居たということは非常に深い印象を残しました。

一方で、亀次郎の称揚が時代的背景を無視して現代において神格化されることには非常に大きな違和感があります。
亀次郎の反米闘争が住民闘争としての実態を伴ったものであったことから、この動きは現在の「オール沖縄」な闘争とシームレスに繋がっており、その原点であることは間違いありません。
純粋な権利の主張としての反米・反基地運動であったものが、沖縄が本土復帰し、施政権が日本に返還されたのちもそのまま継続され、そのうちに見るに堪えない思想的不純物(これは左右両派ともに言えること)が混入するようになった現在において、この闘争の正当性や着地点がまったく見通せなくなった状況では、亀次郎の人物評価を過剰に喧伝することの危険性も考慮しないわけにもいかないのではないか?と思います。
映画の最後に現在の沖縄の闘争と強い関連性を持たせる描き方にはやはりそのまま良しとする気にはならないのです。

戦時中の沖縄の受けた筆舌に尽くし難い悲劇や戦後の過剰な基地負担は明らかに本土に住む我々には容易に理解されえないトラウマだと思いますし、それを下敷きとした現在の沖縄の立ち位置が本土から見れば非常に奇異なものと思われてしまうことは大変憂うべき問題ですが、冷戦後のひと時を除いて極東の地政学的状況は過去1世紀くらいのスパンでは最悪と言ってよいもので、現実問題として沖縄の基地負担の軽減は非常に難しいのが現状だと思います。
究極的には沖縄以外の本土で米軍の極東アジアにおけるプレゼンスが維持されるような規模で米軍基地を確保しない限り、この問題は解決できないと思いますが、せめてその道筋が整うまでは、国内的軋轢は極小に抑えるべきだと思います。
左右両派の分断はこのまま進めば典型的ポピュリズムのダークサイドそのものです。
ダークサイドに堕ちないためには左右両派の代理戦争状態となってしまっている現状の沖縄問題を冷静な目で見ることができるように「不純物」を取り除く必要があるでしょう。
ネット界隈でもよく目にするフェイクニュースとしか思えない信憑性の低い情報の拡散や、意図的な偏向に基づく事実の歪曲などの拡大再生産を厳に慎まなければ、この混沌から抜け出すことはできないのです。

ドキュメンタリーとして非常に良質かつ、刺激的で示唆に富む映画でしたが、そうであるからこそ、人物評伝のみに徹して欲しかった、と強く思うものが残りました。
不屈という瀬長亀次郎が大切にしていたという言葉が興味深い。亀次郎の演説を聞きたいと集まった市民は多い時で十数万人に達したというが、民衆の多くが亀次郎を「不屈」のひとと呼ぶ。生前の亀次郎を語る娘さんによると、亀次郎が不屈という言葉が好きなのは自分を応援してくれる市民ひとりひとりの瞳のなかに圧政に屈しない意志のひかりが宿っていてそのことに勇気付けられるからなのだと。相手の瞳の奥に、他者のなかに理想や生きる価値基準を見いだす関係性が瀬長亀次郎と沖縄県民にはあったということ。
これを書いている2018年12月15日現在、フランスでおこった「黄色いベスト」運動のことを羨ましく思わないではいられない。マクロン政権の自動車燃料税引き上げに反対するデモは数十万人規模に達したとと聞くが、国政にかなりの影響を及ぼしつつあるようだ。ひるがえって第二次安倍政権以降、庶民の暮らしは苦しくなるばかりだが、大規模なデモがいっこうに起きないのがこの国だ。県知事にデニーを選んだ沖縄県民の民意を無視して辺野古の海が破壊されようとしている。「日本のデモクラシーは断崖絶壁の縁にある(マガジン9、12月12日付、想田和弘)」というが、わたしもあきらめるわけにはいかないと思えた。
ymura

ymuraの感想・評価

2.2
題材はとても魅力的。でももう少しテンポがいいと見やすいと思うのです。映画館では少し長く感じました。お茶飲みながら、お菓子つまみながら、テレビでみたい。
一人の男を追っているようで、戦後日本史の問題の根本を捉えようとした意欲的な作品に思えた。大杉漣さんのナレーションもとても良い。
ただ、映画というよりはテレビドキュメンタリーという感じがしてしまった。
そして質疑応答でも話題に上がったが、カメジロー本人の演説がより多く聞きたかった。やはり彼本人の演説のシーンはとてつもない力強さがあったから。。「この沖縄の大地は、再び戦場となることを拒否する。」
MISSATTO

MISSATTOの感想・評価

3.6
第15回文化庁映画週間・平成30年度 文化庁映画賞受賞記念上映会で見てきました。

さすが報道のプロが監督したドキュメンタリーという印象。
じっくりと瀬長亀次郎という人間の足跡を見せながら、沖縄米軍と日本政府の不合理と、瀬長氏と沖縄県民が見せる民主主義との対比をぐぐぐっと印象づける内容。
瀬長氏ご本人の生前のインタビューなどは、思わず頬が緩むような機知に飛んだ巧みな言葉もあって、その人柄になるほど「魅力」を知ることができた。
しかし映画を見ながら脳裏に浮かぶのは昨今の…というよりも戦後70年以上続く中央政府の沖縄に対するやり口。もはやこの国で民主主義が見れるのは沖縄だけではないのか、とさえ思えてしまった。

語りが山根基世氏というあたりに某大型歴史番組の影響を感じなくもないが、おかげで落ち着いて冷静に見ることができた。
煽るようなナレーションや音楽のないドキュメンタリーは、それだけで真正面から見る姿勢を取れる。
そういう意味では、瀬長氏の文章の朗読をされた大杉漣氏もさすが。

瀬長氏や沖縄県民が望む「基地のない返還」を近い将来見ることができるのだろうか……民主主義には程遠い日本のトップと米国のトップの顔を浮かべて暗澹たる気持ちになった。
龍太郎

龍太郎の感想・評価

3.2
中盤が少し中だるみしていたような。
沖縄の歴史って、詳しくないけど暗いから、あまり突っ込んで聞けない&知らずに生きてきてる人って多いと思う。私はそう。見るべき!改めて沖縄という土地について考えるきっかけを与えてくれる。

劇場で見たけど、(ナレーションも手伝って)NHK感がすごかった。これはテレビでも放送してほしいなー。若い人に限らず見た方がいい。シリーズにもなってほしいくらい。
20180827新文芸坐
カメジロー氏が記録に残すべき人物なのはよく分かったのだが、ドキュメンタリー作品としてはテンポの悪さを感じてそれほど乗れなかった…
面白かった!
基地と沖縄の歴史がとてもわかりやすく描かれていました。
音楽がとても良く、新文芸坐で鑑賞できたのは幸運だったかも。
音楽には坂本龍一さんが関わっていたのね。
静謐さ漂う作品でした。

この作品を見逃した悔しさをバネに面白い映画がひしめき合う中、OKINAWA1965や沖縄スパイ戦史を選んで鑑賞してきました。
三作品とも観れて良かった。

今の世代だからこそ向き合える現実があるのかもしれない。

元米兵が目に涙をためて当時と現在の異様な状況を話している姿。
父親が悪い人が入るはずの刑務所にいる姿に胸を痛める子供のエピソード。
銀行だけではなく、水道さえも止められても挫けない那覇市民の姿。
奥さんの詠んだ歌。
などなど、涙しながら鑑賞しました。
時々笑い声が上がるシーンもあり。

続編はカメジローさん本人と周辺のお話になるのかな?
パンフの娘さんの話には興味深いエピソードがまだまだあるみたいだったので、楽しみにしています!
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