やわらか

少女ファニーと運命の旅のやわらかのレビュー・感想・評価

少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)
3.6
第2次大戦中、フランスに居たユダヤ人の少年少女が、ナチスによる迫害にあって逃亡を図るお話。
 
季節柄観る機会の多い戦争映画という枠で言えば、最近は「軍旗はためく下に」「ハクソー・リッジ」「硫黄島からの手紙」「ヒトラーの忘れもの」辺りの作品を観てきた。それらと比べると出演者が子供ばかりということもあり、誰でも観れる内容になっている。自分的には、はじめの方喋らない17歳の女の子が人間的にちょっとダメな部分を背負っていて気に入った役かな。
 
演出としては割と古典的というか、軽くハラハラするシーンを挟んで、成長していく子役の上手な演技を見守って行く感じ。今どきの映画にしては珍しく、途切れることなく音楽が掛かっていて、盛り上がるシーンはちゃんとそんな音楽になって懐かしい映画の雰囲気も感じたり。ただ、今現在この映画を撮るということについての必然性、インパクトみたいなものは個人的にはなかったかな。戦争と子供の描き方で言えば、「ヒトラーの忘れもの」の方が好き。
 
重たい戦争モノの中でも、本作とか「ハクソー・リッジ」は勝利とか脱出という結果に向かって進む(成功するかどうかはさておき)。それに対し、「野火」みたいな日本軍の南方戦線とかだと、そういう「ゴール」が見えないので、映画のストーリー上の時間感覚としてまた違った雰囲気だなとか思った。
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