青いむーみん

少女ファニーと運命の旅の青いむーみんのレビュー・感想・評価

少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)
3.9
 重苦しいテーマなんだけどスリルとサスペンスで結構エンタテインメント化できている。少女ファニーも強さを表現できていたし、その上可愛らしいので応援したくなる。しかし、ドットメガネカトリック野郎のファニーちゃんを狙ってる感に苛立たせられる。自分の弱さとファニーちゃんの強さを利用してる感じが凄く嫌。まぁ子供にそんな目くじら立てることはないんだけども。
 とは言え、映画は面白い。気に食わない奴だけど自分はカトリックであると主張する悲しさも、他者の弱みを握った大人の汚さも、空腹と抑圧で辛抱たまらなくなった時の爆発もリアルだった。そんな彼女達の裏には当然もっとシビアな目にあった人達が沢山いたんだろう。そう考えると彼女達は相当な幸運だったんだろうな。もちろん機転を利かせた行動も我慢も重要ではあっただろうけどそれだけでは生きられない時代だ。手紙を届けるという親しい人から託された意志を持ち続けたファニーの純粋さが彼女を強く有り続けさせ、導いてくれたという解釈は少しファンタジックかもしれないけどいい。