一言では、要約できない。
上手い言葉も浮かんでこない。
ただ…素直に言ってしまえば、"すさまじい一編"だった。
慎二が屈折している背景(ライバルだと思いたいから、拒まぬ士郎へ憤るとこ、努力しても到達できないことへの激しい無力感とか)、士郎の異様な達観ぶり、そして桜という少女…。
活劇要素を極限にまで突きつめた『【UBW】』が、これの後だと砂糖菓子とか、そんなレベルに思えてしまう。
『【HF】』は甘くない。甘いが中身は甘くない。完全に脱出不能の毒とか泥(=闇)とかそんな感じだ。
ただメチャメチャ惹き付けられる。
この毒なら"先"を見たい。官能的要素も込みで、極限まで見届けたい。スゴく作った言葉っぽいけど、『【HF】』はそんな話だ。第一章でこれほどなのに、第二章はそれ以上だ。それ以上なら尚更だ。
上手く言えたか分からないけど、熱い内に言いたかった(鉄は熱い内に打てって奴です。そんな感じ)。史上最高に幸福に満ち、邪悪に満ちたこの作品は、人を選ぶ作品ですが、ボクは非常に満足でした。
出来れば二章は上手い例えとか、言えれば幸いなんですが(笑)。
