この作品、filmarksのジャンルではドラマとあるけど、コメディと捉えていいですよね？
人間のエゴというか、傲慢でいい加減で無責任なイヤらしい面が満載で、相手を気遣う雰囲気もなく言いたい放題。ここまでバラバラな状態の家族を見せられると、もう笑うしかない。
家族だけでなく、葬儀に来た坊主親子(?)の車がめちゃくちゃゴツいベンツで、親父の方は肉付きもよく見た目もヤクザ風、いかにも田舎で幅を利かせていいように稼いでますって感じでこれまたイヤらしい。まあ、皆そのことには気付いていて暗黙の了解なんだろうけどね。
それでも火葬の後にヨシコが子坊主に対して告白した際の子坊主の返しの言葉は結構的確で説得力があり、徳があると思わせる術は会得しているようだ。
どうしようもないハチャメチャ家族かと思いきや、おじいちゃんの葬式のあと、実家に戻る車を運転する次男の嫁の、夫のボヤキに対するキレ具合が最高だった。うん、いいこと言ってる！
なんだかんだあるけど、結局は家族が最後の拠り所なのは違わない。良くも悪くも無遠慮な家族の仕打ちを受け入れ、酸いも甘いも噛み分けて、自分の人生が豊かになるよう昇華させていけばいいんじゃないかと思う。そしたらいつかきっと家族のことが愛しく思えるようになるだろう。
そうやって世代を重ねて一家が続いていくのだ…多分。
