kuzira

おじいちゃん、死んじゃったって。のkuziraのレビュー・感想・評価

4.0
上質な時間でした、
都会の。新宿の。片隅の。
小さな映画館で絶対にこの機会を外したくない、そんな空気を吸いに行きました
おじいちゃんとおばあちゃんが棲んでるあの田舎に想いを馳せる感覚と似てるんです

この映画が流れている時間が愛しくて、いっぱい身体の中に自然を閉じ込めるかのように息がしやすかった気がします


一生のうちに何度と経験する事のない、お葬式の準備や支度でせかせかしてたら

すんなり悲しみに暮れる暇なんてなくて、そんな大の大人がわんわん泣ける訳もなくて、泣き方なんか忘れちゃってたりして、

そして田舎の風景は何事もなかったかのように風に揺られてゆっくり靡いていくんです
時を刻む音はきっとみんな一緒のはずだけど速かったり遅かったりするのは、なんの悪戯なんだろうね


「おじいちゃん、死んじゃったって。」って緑がそよそよとざわざわと噂話をしては、その実感は後からじんわりやってきたりするのかなぁ

無くなっていくものって多すぎて、今有るもの、残っている物を大切にするのが怖くなる、大切に出来てるのか不安になる

でもだからこそ無くなっていく物、失っていく者の全てに対してお別れしなきゃいけない時が来たのならじっくりと「お疲れ様でした」って言いたいな

そしたらきっと今手元に持ってる物、有る者、大切な事って自然と輝きだすのかな


人それぞれの想い出があるから、その想い出に寄り添うように人それぞれのペースで伝えたい

煩わしさってゲロの味
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