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おじいちゃん、死んじゃったって。のacoのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

岸井ゆきのちゃん、かわいいけど、いわゆる綺麗な女優さんではない。だけど、人を惹きつける演技力を持っている。

冒頭、惰性的な(男性だけはやる気満々)SEXシーンから始まり、そこにおじいちゃんが亡くなったという連絡が入る。
最初、何故このシーンから始まるのかわからなかったんだけど、これが後になって活きてくる。

華やかな役者さんは出てない(失礼!)けど、岩松了さん・光石研さん・岡山天音くん・水野美紀さん・美保純さん・小野花梨ちゃん、皆さんとてもはまり役で巧みで良かったんですよー。

本当に近しい身内の葬儀って当然参加するものだけど、そうそうあるものではないから、非日常的な感覚。本当に久しぶりに親戚と再会することもあって、久しぶりだからなんかよそよそしくて。上辺だけの近況話をして終わるという感じですが(私の場合は)。そして、身内は葬儀の準備や挨拶に追われ、忙しくてなかなか悲しむ時間や故人の思い出に浸ることもできないんですよねぇ。

だけど、この映画は岩松・光石の兄弟喧嘩が引き金で、皆の感情が動き出す。
おばあちゃん役の方(よく出てらっしゃるけど、名前までは存じ上げず)がこれまた良くて。痴呆になっていても瞬間瞬間思い出すのかな、それが凄く効いてました。

岡山天音くんは私的にはもっともっと絡んできてほしかったんだけど、天音くんの妹役の小野花梨ちゃんがとても良かった。冷めてるかと思いきや、内実は優しい子で。

ラストにもう一度SEXシーンは出てきますが、そこは最初のものとは違って、「生」を感じるというか。煩悩あってこそ人だな、と思った。

人の死を通して、自分の生を見つけられるとしたら、それは亡くなった方への大きな供養になるのではと思ったり。

派手さはないけど、滋味深い作品でした。ところどころ笑えるしね、岩松了さんの黒い汗…(笑)
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