RAY

おじいちゃん、死んじゃったって。のRAYのレビュー・感想・評価

4.0
フォローさせて頂いている方のとても素敵なレビューを読んで鑑賞しました。


うーん!!
やっぱり素晴らしかったです。本当に観て良かった。


あらすじはfilmarksにもありますが、この映画が描いたことのはじまりは“おじいちゃんの死”です。
そのことによって、家族・親族の抱えた“それぞれ”が表に出てくることになります。

“均衡”とでも言うのでしょうか。
決して意識していた訳ではないのです。
おじいちゃんやおばあちゃんがいることも。
父親や母親、そして兄弟がいることも。
生きていたら当たり前。だけど、いなくなってはじめてその人の重みを知ることになる。
多分、分かっていても知るんでしょうけど。


少し、僕の話をします。
僕は物心ついた時から、じいちゃん、ばあちゃん、僕の3人で暮らしていました。
両親はいるし、兄弟もいるのですが、両親の仕事の事情と僕の事情のタイミングが合わなかったことで、僕と祖父母の3人での生活が始まりました。
誤解の無いようににお伝えしておくと、僕は両親とも兄弟とも仲良しです(笑)

社会人の一年目、祖母が亡くなりました。
僕は当時名古屋にいて、ばあちゃんの最後に立ち会えるのか不安で転勤の希望さえ出した程でしたが、ばあちゃんの意思だったのか、僕の夏休みの最終日に亡くなったことで、その最後に立ち会うことが出来ました。
今でも思い出すのですが、亡くなる直前、それまで眠っていたばあちゃんの目がパッと開いて、それからしばらくして息を引き取りました。
「よくあることだ」と医者も家族も話していましたが、僕はそれがばあちゃんの想いだったと信じています。
そして、そのことを目にしたその瞬間から涙が止まりませんでした。
泣こうと思って泣くのではなくて、ただただ涙が溢れて止まりませんでした。

僕はしばらく心が空っぽになった様で、何も手につきませんでしたが、それは僕だけではありませんでした。
頑固者だったじいちゃんは、まるで人が変わった様に穏やかになったし、母親を亡くした父親は、いつもの明るい父でなく、急に母方のばあちゃんの心配をする様になりました。

あくまでも僕の家族の例ではありますが、こんな風に家族と言うのは、それまでどこか均衡の様なものがあって、そうやって保たれています。
それは、見た目だけでなくて、皆の心に大きく影響を及ぼして、表面化します。

何が言いたいのかと言うと、家族であるからこそ“支え”となっているものがあると言うことです。
だけど、人は必ず歳を取ります。
どんなに若くても、明日死んでしまうかもしれないし、順調に歳をとっても、そのうち色んなことを忘れる様になってしまうかもしれません。
だから、大切な人には大切であると伝えなければいけないのだと思います。
「ありがとう」でも「おめでとう」でも、「ごめんなさい」でも「あの時は悪かった」でも。
後悔のない様に伝えなければいけないのだと思います。

余計な話まで書いておいて、なんなのですが、感じた事はこれだけではないですし、多分、観る人によって感じ方も様々だと思います。

少なくとも、この映画がとても素晴らしかったと言う事はお伝え出来ます。
家族の繋がりを絶妙に表現しているし、伝えてくれる映画です。


最後に、役者さんについてなのですが、岸井ゆきのさんと岩松了さんが特に素晴らしかったです。
このお二人だけでなくて、光石研さんをはじめ皆さんが素晴らしい演技で家族を表現してくれていました。


あらためて、素晴らしい映画を紹介して下さったことに感謝を。
本当にありがとうございました。

また、長文になってしまったことをお詫びすると共に、読んでくださった方にもお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


是非、ご覧下さい。

観て良かった。
RAY

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