ことさら言うまでもないことだが、吉沢悠の演じる映画プロデューサーがすさまじい引力を発する。顔面・発声・所作などすべてが一見では人当たりがよく、それだけに本当に腹立たしい(けどこういう人いるよね……いや、おそらくどこの業界にもね)。「かつて映画を撮って挫折した」という経歴の持ち主であり、その屈折が行動の根底にあるという苦味も効いているのだが、その設定が却ってノイズになるくらい、純粋に悪役として魅力がある。吉沢悠という名前を憶えておかねばと思った。
ラストは当然●●してくれるんだろうなと期待していたのだが。