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オトトキのKKMXのレビュー・感想・評価

オトトキ(2017年製作の映画)
3.6
 2016年に再結成したイエローモンキーのドキュメンタリー。

 イエモンのドキュメンタリーと言えば、直接解散につながった過酷なツアーを振り返る『パンドラ』があります。このドキュメンタリーは実に痛々しく、非常にシビアでものでした。
 一方、本作はそのような試練を乗り越えて、過去を総括した上での再結成の話なので、マイルドな雰囲気で、全体的にはとてもリラックスしていて楽しそうでした。

 ドキュメンタリーとしては、正直あまり面白くはなかったです。コアなファン向けでしょう。いいところで曲をブツ切ったり、だらだらした長回しも多い構成は好みでなかった。バラ色の日々はもっと流しても良かったのでは?監督の松永大司のガーエーは観ないな。

 とはいえ、マイルドになり精神的にも安定してそうな吉井和哉の姿を見るのは良いものです。あの傷つけて傷ついたパンチドランカーツアーや、時代遅れの洋楽コンプレックスに振り回された悲惨な姿を『パンドラ』で見ていたので、こうして幸せそうにバンドを続けられるのは、単純に良かったなと思いました。
 また、イエモンは天才・吉井を懐の深い職人メンバーが支える構図なので、吉井が復調すれば上手く行きやすいとは思います。逆に活動休止を含めると15〜6年復活出来なかったワケで、そう考えると吉井の苦悩は実に深かったのだなぁとしみじみ実感です。「なんだろうね、この家族感」と語る吉井の姿は、これまで愛を感じづらかったであろう吉井がついに安息を得れたように感じ、重ね重ね良かったな、と思いました。

 途中、謎の無人ライブ映像が挟まれますが、そのラストにロマンティスト・テイストをフル演奏してました。この曲、ホントにダサいグラムロックで説得力ありますね〜(超絶ホメてる)。
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