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バーフバリ 王の凱旋のドントのレビュー・感想・評価

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)
4.3
私たちは神話を目撃する。前作『伝説誕生』から2年もの時間を挟んでの後編。前後編で現在~過去(←前編)~(後編→)過去~現在というメチャ変則的な構成になっている。
本作は前編にはなかった笑いの要素も入れつつパパバーフバリをはじめとした人々が英雄は雄々しく陰謀家は策謀し国母は政に引き裂かれなどそれぞれの役あたりを過不足なくいやもう大丈夫ですから!と言いたくなるほど濃密に神話的かつ演劇的かつ昼ドラ的とすら感じる王道物語をこれ以上ないくらいにやり遂げた結果喜怒哀楽興奮感動畏怖と人間のあらゆる感情を揺り動かすドラマとなっている。
この強すぎる土台の上に一切の有無を言わせぬ弩スケールの世界観と一片の文句も吹き飛ばす突風の如きアクションが乗り我々はただただサホーレ!バーフバリ!と叫ぶのみ。前作のヒロインが空気になってたり父パート(カッタッパとの“愛”よ!)が濃すぎて子バーフバリのドラマがかすんだり(とは言え彼のやらねばならぬことは一つしかないのだが)と気になる点もあるが怒濤のアクションから荘厳なる終幕に至って後エンドロール?そんなもんはねぇ!な潔さによって現世に放り出される我々はただただサホーレ!バーフバリ!と叫ぶのみとなる。サホーレ、バーフバリ。
日本語解説つきの「これまでのバーフバリは!」が冒頭にあり、『伝説誕生』未見の人にもたいそうわかりやすい。並みの作品では見られないベタで濃すぎドラマと理性のタガがゆるむアクションが脳の前から奥まで全部殴りつけてくる満漢全席特盛がこの映画だ。王を称えよ!
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