Taketo

お母さんのTaketoのレビュー・感想・評価

お母さん(2016年製作の映画)
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わりとシンプルなストーリーですが、多くを語らないがために疑問点が出てくる映画でした。
 家の中、市場、街灯の下、などの限定されたロケーションしか出さないことで、田舎町の閉鎖された感覚が自然と伝わってきました。そして、見終わった後、登場人物たちはそれぞれどこまで知っていたのかなと思いました。
 
 息子ラウリは寝たきりですが、瞬きをしたり目は動いたりするので、僕は勘違いしててっきり寝たきりの息子ラウリはわざと寝たきりのフリをしているのかなと思っていました。それはそれでなんとなく僕の中で筋は通っていたのですが、本当は彼はみんなの話を聞いていただけで動けるわけではなく、ラストの花瓶を倒すのは少し病状が良くなり「全部話は聞いてたぞ」という意思表示だったんだと思います。
 
コメディとして笑えるところもあって、校長先生がここから出て行くと言った時、お母さんが「どこに行くの?」と聞き、校長先生はどこに行くかまで嘘を考えていなかったので、とっさにコップに書いてあるミュンヘンと答えるところです。

 前述したとおり、分かっていない部分も多く、8万ユーロある中で4万ユーロは親友に貸しており、残りの4万を盗まれたということでいいのか。計画を立てたお母さんは、息子が親友に貸していた事を知らず、8万ユーロ口座にあると勘違いしていたのか?というか、そもそもいくらあるか知ってたんだっけ?結局盗んだ金は校長先生が持っていたのか?計画したのはお母さんで、実行したのは、校長先生なのか?校長先生はどこまでお母さんのことが好きだったのか?女の親友は必要だったのか?などなどです。
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