マクガフィン

となりの怪物くんのマクガフィンのレビュー・感想・評価

となりの怪物くん(2018年製作の映画)
2.7
勉強がアイデンティティーなボッチ女子高校生と、隣席の問題児によるラブコメ。原作未読。

学校や階段のシンメトリーの画面構成。高層ビルと富山の背景のギャップは漫画的な独特な世界観が築かれて好感だが、特徴的な制服は生地が安っぽくてコスプレ風に感じて残念。

恋愛に興味のない女と同級生の問題児が主役で、互いの家族構成に問題や謎がある設定や、少女漫画特有の王子様願望という潜在的願望が炸裂する痛過ぎる展開は既視感溢れ、何故か量産される少女漫画の王道的な実写映画に。
足りないことを埋め合わせるようで求めるようでもあることを何度も映像で演出した後にセリフで説明することは如何なものか。脚本と心象不足を西野カナの歌詞で補う手法も同様。

主演の菅田将暉と土屋太鳳のルックスと演技力で見ていられ、池田エライザは高校生に見えないが主演2人を全く邪魔しない演技なのでご愛敬。浜辺美波の面白味のない演出は無駄遣いで残念で、菅田以外と仲良くなる経緯が全く描かれていなくて可哀想。

旬の若手役者達の勢いを感じる演技が良く、役者経験と考えれば良いか。
お母さんはメタ的と考えて良かったのかが理解が及ばなかった。