HidekiIshimoto

リバー・オブ・グラスのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.0
観る前からその名が刷り込まれてたケリー・ライカートやっと観た。なるほどデビュー作でこのセンス。ジム・ジャームッシュのような、ハル・ハートリーみたいな語り口。三者ともホワイトトラッシュ活写でデビュー。けどジムのトラッシュ達には自由があり、ハルのトラッシュ世界には愛があったと思う。ケリーのトラッシュ界隈は自由も愛もボロボロに擦り切れてでかい穴があいてる感。これと同時期にジムは『デッドマン』、ハルは『愛・アマチュア』を撮ってる。てことはこの擦り切れ感は時代背景じゃなく世代背景の反映なのか?現に三者はほぼ5歳づつ離れてる。全てが擦り切れ、世界は界隈に縮こまったような、何ともいたたまれないこの感触。なのにジムハルと同じこの映像センス。これが95年作で、続く四作(全部U-NEXT配信中)はその後の20年での作。まさに世界が擦り切れ始めた20年間。この才能がどんな表現で下降していく世界に対峙したかを一望すると思うとちょっとドキドキしてきた。