コーディー

春の夢のコーディーのレビュー・感想・評価

春の夢(2016年製作の映画)
4.0
『ミナリ』公開前に大好きなハン・イェリをガッツリ見たくて鑑賞。

居酒屋の女主人としがない三人の男たち。三者三様に恋心はあれど昼間から酒酌み交わす何も発展しない日々は正に覚めない夢の共有、その心地良い一体感とうら悲しさを観念的に見つめる物語。永遠に幻想に浸れれば心は健康だがそうもいかず無傷ではいられない。ありのままの生とは?が心に迫る良作!

簡素な居酒屋を営むイェリ目当てに入り浸るチンピラや脱北者などお気楽3人組。外部との絡みも多少はあるけどほぼ隔絶された共同体としての妙な調和wけど突発的に挟まれる共有時間の終わりが何とも儚く、怖く、個を突き付ける。
ダラダラと一見退屈やけど哲学じみた深み、モノクロ映像も夢と現実の境界を曖昧にする。

そして何と言っても3人のダメ男を実名で演じるのがヤン・イクチュンをはじめとする韓国の若手映画監督たちってのが面白いしw良い意味での華の無さも作風に合ってる。またマドンナとして彼らに囲まれるハン・イェリも役名そのままに掴み所ないキュートな魅力を爆発させてる。
てか言葉にするのが難しい映画でした。

『悪いやつら』『群盗』『工作』など次々とイカつい傑作を送り出してきたユン・ジョンビン監督がモジモジ男を好演してて笑えるしw抑えられない恋心も可愛い!
またハン・イェリの認知症の父を演じるのはイ・チャンドン監督の弟らしく面白い配役。そして物語はどことなくホン・サンスっぽいw
なので好き!