ラブラドール

ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜のラブラドールのレビュー・感想・評価

3.8
文豪ゲーテが自らの失恋を題材にした代表作「若きウェルテルの悩み」を書き上げるまでの物語。
ゲーテが小説にも登場するシャルロッテと恋に落ち、失恋するまでが描かれており「若きウェルテルの悩み」のあらすじにも沿った内容でした。
自分が知っている実際の史実とは違う部分もありましたが、この時代特有の実らぬ恋も描かれていて胸に刺さります。

「若きウェルテルの悩み」の大まかなあらすじは、主人公ウェルテルが婚約者のいるシャルロッテに恋をし、実らぬ恋に絶望し死を選ぶといった内容です。
実際の史実は、ゲーテがシャルロッテと恋に落ちるも、彼女は貧困な家族を救うためにゲーテと交友のあるアルベルトと婚約し、結婚してしまう。
ゲーテは自殺を思い立つものの、その自らの失恋体験を題材に「若きウェルテルの悩み」を書き上げることによって自殺を思いとどまったと伝えられています。

映画の本作では、愛し合いながらも引き裂かれたゲーテとシャルロッテがとても切なく描かれていました。経済的な事情で、愛する相手を諦め、愛のない結婚をするシャルロッテの苦しさを思うと胸が痛みます。
またそんな彼女を引き留めることができなかったゲーテの辛さも相当なものだったのだと思います。

本作も良かったですが、特に小説「若きウェルテルの悩み」は名作と言える海外文学だと思います。(当時はこれを読んで自殺する若者が多かったらしいです)
あまり長くもなく、口語調の書簡体で大変読みやすい小説ですので、本作を鑑賞するなら、併せて小説も読まれることをおすすめします。
ちなみに読むのが面倒な方はYoutubeなどにも書評動画がありますので参考にされてもいいかも知れません。