すずき

ゴールデン・リバーのすずきのレビュー・感想・評価

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)
3.2
西部開拓時代。
殺し屋のシスターズ兄弟は、雇い主の提督からの命令で、ウォームという男を追っていた。
提督の部下のモリスは、ウォームを油断させて、共に行動しながらシスターズ兄弟に居場所を連絡していた。
提督がウォームを追う理由、それは彼が発明した、簡単に金を発見する薬品の製造方法を知る為だった。
モリスはその事と、彼の目指している理想を知ると、シズターズ兄弟を裏切って連絡をやめ、ウォームの助けになろうとする。
兄弟は様々な感情を抱きながら、追跡を続けるのだが…

名のある俳優たち4人の演技合戦が楽しめる西部劇。
見る前に予告編から想像していた感じとは、ずいぶん違う映画だった。
最初の想像では、
・4人は敵対するも、金が手に入ると知って協力するようになる。
・だが、金を手に入れるまでの旅路の中で、彼らの間に友情が芽生える。
・ところが、いざ莫大な金を目にしてしまうと彼らは欲に駆られ、仲間を裏切り、殺し合いの事態まで発展してしまう…
みたいなエンタメ性の強い話だと思っていた。
全く違うわけではないのだが、その要素はあくまでこの映画の一部分。
本編のメインは、血なまぐさい世界に疲れた兄と、のし上がりたい弟の関係と感情を描くこと。
そもそも原題は「シスターズ兄弟」だ。象徴的ではあるが「ゴールデン・リバー」がメインではない。

というわけで、私の勝手な期待とは大きく違い、そこまで楽しめなかった本作。
派手なアクションや、驚くようなオチも無く、ただ丁寧に情景を映していくようなタイプの映画で、西部を舞台にした文学的な作品でした。
勘違いしちゃダメよ!