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ゴールデン・リバーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)
4.0
ギレンホール祭!其の二
《共同体》like many other folks "We are the Sisters Brothers!!" 開口一番原題を言う本作で、【日常に潜む犯罪】を描いてきたフランスの名匠ジャック・オーディアールが(遂に)チャンスの地アメリカを舞台に描くのは、多くを求めればそれ以上に多くを失う(皮肉なほど残酷な)自由への代償ーーーまず何よりキャストが四者四様に才能豊かで素晴らしい。どこまでも人間臭く温和な兄ジョン・C・ライリー(ベスト・オブ・相棒枠!PTA曰く「彼と友達になりたかった」)に、赤色シャツもよく似合う切れ味抜群キレキレな弟ホアキン・フェニックス、インテリな魅力を醸し出すジェイク・ギレンホールに、人の懐に飛び込みながらも隙を見せたら喰われそうな一見何ともない雰囲気でそれら強烈な才能と渡り合うリズ・アーメッド(『ジェイソン・ボーン』『ヴェノム』の影響で中東系?スティーブ・ジョブズ枠かと思っていました)。ホアキン・フェニックスとジェイク・ギレンホールは本当に髭面も似合えばオールバックも似合うし目力強くて、画になる。作品全体的にも淡々と効率的ながら枯れていて予期せぬ方向に物語は転んでいき時にシュールですらある(ex.歯みがき)。この旅の果てに待っているのは一種『すべての美しい馬』のように"一周回って"な着地点。アメリカンドリームのとんだ顛末だ。これまた苦言を呈したい邦題はさておき、(優しくもリアルかつ残酷な作品で社会を切り取る)ダルデンヌ"兄弟"も製作に名前を連ねていました。

これで『ナイトクローラー』コンビも仲良し?
P.S.自分自身も本作鑑賞中に腹痛という身体的危機に見舞われていたのである意味勝手に4Dでした。間一髪。
Peter Travers 4/5
Richard Roeper 2.5/4
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