このレビューはネタバレを含みます
なんて痛ましく哀しい物語なのか。終わった直後からじわじわ効いてきて今とても辛くなっている。「兄の俺がやるべきだった」というイーライの述懐と、ジョンの名を叫びながら迷わず川に飛び込むハーマンの姿に胸が張り裂けそうになった。人が人をこんなにも愛おしみ慈しめるというのに愛に性別なんて関係あるかクソが、という気持ちが心の底から噴き上げる。
ラストは『ディーパンの闘い』と同じオチと解釈したんだけど(もしや葬式のあたりから?)どうなんだろう。たしかに二人には平穏に暮らしてほしいけど、残念ながらこの終わり方はあまり好みじゃないな……というところが我ながらややこしい。
そして『ゴールデン・リバー』という邦題は大不評だけど、観終えてみると個人的にはそこまで悪くないのではないかと思った。輝く夢と惨たらしい死とを同時に想起させる言葉。