ハッピーアイスクリーム

ゴールデン・リバーのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)
3.8
ゴールドラッシュに沸くアメリカ。心優しいイーライと野心家のチャーリーはプロの殺し屋"シスターズ兄弟"として恐れられていた。2人は提督の依頼により、科学者のハーマンを追うことになる。一方、連絡係として先に旅立ったジョンはハーマンに協力することを選ぶ。2組の思惑が交錯した時、思いがけない運命が待ち受ける。

夢や希望よりも大切な弟

パトリック・デヴィッドの小説『シスターズ・ブラザーズ』を基に映画化された西部劇。第75回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞受賞。フランスの映画賞セザール賞では監督賞を含む4部門に輝いた。

4人の男たちの一攫千金物語というよりは、殺し屋兄弟の絆、もっと言えば兄の弟への愛を描いた作品でした。ジョン・C・ライリー演じる善良な殺し屋にして最高の兄貴イーライの物語という印象が強い。そして、シリアスながらコメディ感強め。

この心優しい兄、イーライのキャラクターがとても良かった。弟への無条件の愛もそうですが、初めての歯磨きにご機嫌になったり、相棒の馬にまで愛情を持って接したり、純粋な優しさを感じる。流せるトイレにテンション上がるところと、ちょっとした会話をしたかっただけやのに屋台のおばさんに何回もボルシチ!って軽キレされるところが可愛すぎた。ジョン・C・ライリーには独特の惹かれる魅力を感じる。

のちに何故そこまで自由奔放な弟の面倒を見続けるのかが判明するのですか、その決して裏切れるわけがない理由にこの絆の深さを思い知らされる。
そして彼らが最後に帰る場所。なんだか兄弟のロードムービーを観たような後味。

今回はあまり目立つ役どころではなかったジェイク・ギレンホール。彼が幸せな最後を迎える作品ってあまり無い気がする。