1947年、第二次世界大戦で国力が疲弊したイギリスは植民地であるインドを去ることになり、最後の総督の役を引き受けたルイス・マウントバッテンは首都デリーの総督官邸にやってきた…。
権力に抵抗するより側で見守ることにしたヒンズー教徒・イスラム教徒・シーク教徒・ムスリム教徒など、様々な宗教を信仰するインド人がひしめき合う官邸で繰り広げられるヒューマンドラマ。
人はそれぞれ考えも宗教も異なるもの。それら全てを受け入れようと、今までのやり方と異なる方向を示し、実行しようと奮闘する総督夫妻。
イギリスからの独立により、どのようにインドが一つになっていくのか、同じ国民なのに異なる宗教、思想を抱くインドの人々の宗教感の違いで争いが絶えない。平和を願っても起こる同じ国民による争いも描かれた骨太な内容は、簡単な問題ではないと提起してくる難しい宗教問題。
地図上では隣の国でもパキスタンとインドではこんなにも宗教間に違いがあったことや、国籍を選んでいたなど、全く知らない出来事でした。
ただイギリスから独立しただけだはなく、このような歴史問題や背景をとてもわかりやすく描いたこの作品から多くの事を知ることができました。
植民地からの独立による難民問題、暴動、疾病など、社会問題を提起した重厚な作品でした。