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英国総督 最後の家の小のレビュー・感想・評価

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)
3.7
イギリスのインド主権譲渡のため任命された新総督のマウントバッテンを主人公に、インド・パキスタン分離独立について、教科書ではわからない歴史の真相を、ロミオとジュリエット的な恋愛物語を交えつつ、描いた映画。

当事者に歴史を忘れずに向き合ってもらいたいということだからか、インド、パキスタンのどちらかに偏ることなくバランスよく丁寧に表現している。しかし、それゆえにやや単調で、本当の意味での悪役が画面に登場しないから刺激が小さく、エンタメ的ではない。

世の中から争いをなくそうとするのであれば多くの人の心に訴える必要があるから、本作のように真面目で手堅いつくりよりも、エンタメ色が強めの方が良いのではないかと。

ヒンドゥーとムスリムの対立があったにしても、何故、国を分断するようなことになってしまったのかを明らかにする本作のハイライトを、多少偏っても良いから、劇的に描けばインド、パキスタンの人も含め、もっと多くの人が観るのではないかという気がする。

とはいえ、インド料理とパキスタン料理って何が違うのだろうと思っていた程度の自分にとって、とても勉強になった。国や民族間に限らず、個人ベースでもインド・パキスタン分離独立の裏側に隠れているようなことがあるのかもしれない。

●物語(50%×3.5):1.75
・素材は良いけど、もう少し偏って面白さを出しても良かったのではないかと。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・雰囲気が良かった。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・映像がキレイ。
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