柊

英国総督 最後の家の柊のレビュー・感想・評価

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)
3.8
かなり本気度の高い映画だった。物心ついた時には私の目にする世界地図には、インドの両サイドに西と東のパキスタンがあった。
戦後間もない時期にこんな風に国を分断されながら建国されたとは…恥ずかしながら全く知らなかった。
大英帝国の繁栄の象徴だった東インド会社からの長い長い300年という植民地支配からの解放も全てはイギリスの手の平の上の事のようで、何か腑に落ちない。結局根底にある差別主義は変わっていない。
…がしかしマウントバッテン卿とその家族は人が良いのだろう。インドに対して最後まで誠実であった。

それにしても、最後に挿入されるモノクロの実写フイルムに映し出される本人と役者達があまりにも似ていて驚いた。ただしマウントバッテン卿はご本人の方がずっとハンサム。さすがイギリス貴族階級。

宗教の違いで国を分けてはいけないと訴えるガンディー。その通りなんだよね。でも面倒だからついつい目先の楽な選択をしてしまった。世界の紛争は案外そんな些細な事が根底にあるのかもしれない。ヒンドュー教とイスラム教の恋人達の行方はストーリーに華を添えてわかりやすくするためには有効だったかな。無くても良かったけどね。
柊