本作の歴史知識を学校の教科書程度しか持っていない状態で、興味半分で見てみた。
本作は、インドとパキスタン独立時の政府関係者、そしてその近くにいたそれぞれの一国民の話である。
学校の授業ではただの単語、ないし過去にあったことらしい事柄を、人の顔が見えるように描かれている映画だった。
神聖化されやすい歴史上の人物の、人間らしさと、積み重ねられた悪しき歴史に対抗してもがき苦しむ姿は胸を打たれる。もし自分がこの場にいたら、この職についたら、どうしたらいいか、つい一緒に悩むほどだった。
登場人物が希望を胸にもがいて、もがいて得られた結果は衝撃的なもので、ああ、とつい嘆息してしまった。しかし、現実の関係者の衝撃は、人生をかけていたこともあり、観客のそれより遥かに大きかったことだろう。
上記の結果を踏まえ、それぞれの登場人物が選んだ生き方…未来に、この映画のメッセージの一つは込められていると感じた。
歴史をよく知らない人にこそ見てほしい映画である。