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英国総督 最後の家のkazuかずのレビュー・感想・評価

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)
4.6
1947年、英国統治下のインド。イギリス統治の責任者ルイス・マウントバッテンとその家族がインドにある総督の屋敷に引っ越してきて、屋敷に住む召使たちやインド独立に関わる要人たちとの半年間を描いた激動の史実ドラマ。

同じ民族なのにヒンドゥー教徒とイスラム教徒の宗教上の問題から、インド独立のタイミングでイスラム派のパキスタンが建国される。

現在、公開中の『バジュランギおじさんと小さな迷子』では、パキスタンからインドに来た女の子がインドで迷子になる話でした。その映画の中でもインドとパキスタンの国境には厳重な有刺鉄線がひかれていおり、お互いの国が敵対している事が描かれていました。

独立のタイミングで、元々混在して暮らしていたヒンドゥー派とイスラム派が無理矢理まとまった地域に分断・隔離されたため、難民化、両徒間による虐殺事件、レイプ事件、様々な事件が起きていたことを目の当たりにしました。インドとパキスタンの歴史を知れた上でも非常に興味深い映画でした。

インド独立の父ガンジーやパキスタンのジンナーなど歴史上の人物も描かれています。

この映画の素晴らしいところは、印パ分断の史実を丁寧に描いている中で、総督や妻・娘の正義感、分断により人生を翻弄される庶民の視点もドラマチックに取り入れているところ。ラストの思わぬサプライズは、感涙ものでした。

エンドロール前に実際の映像や写真が写されるのも素晴らしい。
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