栗田隆

ライズ -ダルライザー THE MOVIEの栗田隆のレビュー・感想・評価

5.0
ネットでご当地ヒーロー、ダルライザーを知ってから、その地方での手作りらしからぬ格好良さ、そのこだわりに注目していました。
昨年中にYouTubeに上がった映画予告編を見てそのクオリティに驚愕、完成のあかつきには是非観覧をと思い、千葉県から福島県白河市での上映会に行ってきました。
期待値は高かったのですが、実際に見た感想はそれを上回るものでした。
二時間半に迫る長編ですが、それを感じさせない濃密な構成と映像、よく練られ、リアリティの感じられるストーリーは一般配給されている商業作品に何ら劣るところのないものです。
ダルライザーは、多数派のご当地ヒーローが持つ様なご当地由来の超常的な力や、超人的なパワー、強力な武器といったものを一切持たない生身の人間です。
人がその生の中で関わっていく希望、挫折、家族、友情、努力、理想、葛藤といった要素をちりばめたストーリーが進んでいくうちに、主人公は望まぬ闘いに身を投ずることになります。
ただし、そこに「正義と悪」という要素は登場しません。それは「異なる正義」「異なる理想」のぶつかり合いとして描かれます。
こうした、徹底的にリアルな描写で進むストーリーの中から、ダルライザーのコンセプトである「転んでも、何度でも立ち上がる」が熱く伝わってきます。
地元上映会だけの披露では終わって欲しくない、多くの人に見てもらいたい良作です。