小一郎

スターシップ9の小一郎のレビュー・感想・評価

スターシップ9(2016年製作の映画)
3.9
<「Netflixはすでにそれほど速いペースで成長していませんが、世界最大のエンターテインメント企業のひとつになるでしょう。テレビと映画を大混乱に陥れて、そのあり方を永遠に変えてしまうのです」(情報通信技術に特化した市場調査会社Ovumのテレビアナリスト、トニー・グナーソン)>。
(https://wired.jp/2017/02/21/netflix-original-pays-off/)

『BLAME! ブラム』とか『オクジャ okja』とかで「Netflix」という言葉を目にするようになってきたけれど、凄いんだね、Netflixって。

2016年10-12月四半期決算(多分)の<新規会員数は、同社史上最大の705万人。Netflixが予想した数字を200万人も上回った。新規会員のうち、かなりの数が米国以外のユーザーだ。すでに会員の47パーセントは、米国外に住む人々である。>

原動力はオリジナルコンテンツへの巨額投資。<Netflixは2016年、オリジナル番組の制作に50億ドル(約5,600億円)を費やした。Netflixは決算発表で、2016年に最も検索された10番組のうち、5つはNetflixのオリジナル作品だったと伝えた。そして彼らは今年、昨年の2倍の作品数、1,000時間分のオリジナルコンテンツの制作に60億ドル(約6,800億円)を支出する計画を立てている。>将来的にはコンテンツ全体の半分をオリジナルコンテンツが占めると見込んでいるらしい。

映像配信サービスという“小売業”だけでなく、オリジナルコンテンツの製作・供給という“製造業”を手掛けることで成長するビジネスモデルで思いつくのがSPA(製造小売業)。日本で言えばユニクロ。話題となるような商品を自社生産し、リーズナブルな価格で供給することによって、勢力を大きく拡大した。フィルマークスユーザーにも『オクジャ okja』を見るため「Netflix」に加入したという人がいるだろうけれど、自分もうかうかしていられない気分。

Netflixが脅威なのは、映画製作会社はもちろんだけど、一番はテレビ局じゃないかな。現状、コンテンツ制作能力では負けることはないだろうけれど、放送局としてのインフラが重荷となって、ネットに大きくシフトするわけにはいかないだろうから。Netflixと組んだのが、個人的には一番好きな民放だけど、キー局としてのネットワーク力が最も弱いテレビ東京だったというところがさもありなん。しがらみの少ない分、他のキー局よりは動きやすいもんね。
(http://realsound.jp/movie/2017/05/post-5160.html)

ということで、例によって、作品と無関係のことについて引っかかっているうちに、レビュー在庫がたまってしまう今日この頃。Netflixのことを長々と書いたのは、本作が<ネットフリックスの制作チームとスペインの俊英が生みだした最新ヴィジョン!>(東京で唯一上映しているヒューマントラストシネマ渋谷のウェブより)だから。

これナカナカ面白い。フィルマークスの点数は芳しくないけれど、多分、上映館が少なく、通な方のレビュー中心だからと想像する。シネコンで上映したら、結構ウケそうな気がするけれど、Netflixの戦略なのか、映画製作会社との関係なのか、映画館で見れる機会はとても限定的だ。

内容については、情報をできるだけ入れず、見たほうが吉。自分はSF映画で、主人公は美女、くらいの状態で突撃した。で、面白さの単純比較はできないけれど、『パッセンジャー』より面白かった。なるほどなあ、こういう未来もあるかもなあ、と思った。案外色々な問題が詰め込まれていた。

先に引用したリアルサウンドの記事で、テレビ東京のプロデューサーの方が質問に答えて次のように述べている。

<Netflixのオリジナル作品には事細かなレギュレーションがあって、機材ひとつとっても明確な基準があり、それが数々のオリジナル作品に共通したトーンと高いクオリティを生み出しています。>

<Netflixは特に、先述したようにオリジナル作品のクオリティー管理がものすごく細かい決まりにより徹底しているので、その辺りもテレビ東京にとって大きな経験になるとは思いました。>

察するにNetflixがかかわる作品というのは、手堅く面白いものが多くなりそうな気がする。ハズレが少なく、たまに抜群の作品が出てくるなどして、Netflixに加入しているのって当然じゃね、みたいな状態に、そう遠くない将来、なっているような気がしてきた。

●物語(50%×4.0):2.00
・面白い、個人的には『パッセンジャー』よりも。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・低予算感アリアリだけど、気にならない。主演女優さんがナカナカの美人でグッド。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・まあまあ良かった気が…。