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女は二度決断するのadagietteのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.5
原題は Aus Dem Nichts  日本語にはしづらい .. out of nothing
英語題は In the Fade うーん 余計わからん。

ヘイト・テロで 夫と幼い息子をアッという間に失った女性が、悲しみと無力感で、もう自分には何も残っていないという思いから、動き出す .....
そういう感じだろうか?

移民・難民の問題に揺れ続ける欧州だが、その感情がテロという形で噴出するときを、被害者遺族の心情に絞り込んで描いている。
クルーガーは息子を夫のオフィスに置いて、友人とスパに出かける。
そのなんでもない日常の時間が、爆弾テロで引き裂かれる。クルーガーの証言、加害者父親の通報もあって、犯人は特定され逮捕される。
裁判だ。

ところが、検察・警察の証拠およびクルーガーの代理人弁護士の尽力にもかかわらず、証拠が弱いという理由で犯人は無罪となる。
作品の中ではメンションされないが、判決には 加害者がドイツ民族であることや被害者が薬物取引の前科がある移民であることも配慮されたんだろう。被告側の凄腕弁護士、あの人もたぶん極右思想に共鳴する人物。

が、法廷シーンは演技こそ見事だが 構成はいささかザツ。
うーん詰め甘いよ これは.... 上告するか?というあたりから、話は本線に入っていく。
クルーガーが 意思を固めていく表情は、本当に痛々しい。
自問自答。
おさえても膨れていく憎悪。
同時に大きくなる自己否定。
なによりも どんどん濃くなっていく喪失感。。

どれほど苦しいことであるか。

邦題はいささか陳腐だが、見終わると考えてしまう。
二度......二度めは わかる。
では最初の決断は、いつ?何を?

ヘイトは対岸の火事ではない。
異民族・他人種を どんな理由で排除してみても ....
それは自らに戻ってくる。