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女は二度決断するのねーねのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
3.5
幸せな結婚生活は、ネオナチの残忍な爆破テロによって引き裂かれた。
最愛の夫と息子をある日突然奪われたカティヤは、やがて二度、決断をする…

悲しみは怒りを呼び、怒りは憎しみを、憎しみは復讐を、そして悲しみを引き起こす。

これは、復讐の映画だ。
テロの恐ろしさではなく、家族をなくし取り残された被害者の人生に焦点を当てることで、どうにもならない負の連鎖を目撃させることに成功している。
行き着くところがどこであれ、テロで失われた人生、残された者の人生は取り戻せない。
だから永遠にテロはなくならないのだと理解する。
あのタトゥーの意味とは…
観終わった今、腑に落ちるか、落ちないかは我々次第。

人種差別、抗争、テロ、報復。
ドイツに限らない現代の闇をまざまざと見せつけながらも、決して正しい解決法などないのだという、根深いやるせなさを我々に残していく。
そう、これが現実なのだと。

初めて母国語で演技をしたというダイアン・クルーガーは、水を得た魚のようだった。
彼女の細い身体の奥底から燃え上がる感情の炎はもはや演技とは思えず、その慟哭に、私の心も打ち震えた。

三部構成で区切りをつけながら、サスペンス要素もうまく絡めることで、重いテーマながらも映画らしく観やすいつくりに。
Queen of the Stone Ageのジョシュ・オムがサントラを担当しており、彼らの楽曲the Bronzeの無骨さがしっかり作品にはまっている。
ずっしりと心に残る秀作。