2049

女は二度決断するの2049のレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.3
実際にドイツで起こった移民排斥テロを元にしたサスペンス。
個人的にここまで救いの無い映画はなかなかないのではないかと思う。映画というフィクションの中で描かれる、残酷で冷酷極まりない我々が作り出した世界の姿は、あまりにも現実的で最早直視することが出来ないほど醜く歪んでいる。世界中で起こるテロやヘイトクライム、差別、偏見、それに対する無知無関心…特に日本人の世界中で起こる悲劇に対する無関心は余りにも酷い…それでいて国内では在日コリアンや朝鮮半島に対しての憎悪は膨満し続けている…
終盤希望の光が射したのかと錯覚してしまう展開から迎える無慈悲なラストは衝撃的だ。
我々人類は数珠のように連なった憎悪の連鎖をいつになったら断ち切ることが出来るのか…この時代に作られるべきして作られた価値ある映画だ。
ダイアン・クルーガーの鬼気迫る演技には心を揺さぶられる。
2049

2049