みーちゃん

女は二度決断するのみーちゃんのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.0
主人公の行動について、これほど考えさせられた事はないかもしれない。はじめは最悪だと思った。もし違う決断だったら…。いくつかの選択肢を想像したけど、きっとどれも彼女の魂に救いはない。と考えると、少なくともカティヤにとっては最善の決断をしたのだと思うようになった。エンドロールの歌詞の通り、あまりにも悲しすぎる、虚しすぎる結末。ただの"衝撃的なラスト"で終わらせない私達への問いかけ。

こんなに感情移入した理由は、ドイツで実際に起きたNSUテロや捜査の失態が基にあることは勿論、ファティ・アキン監督の論理的な構成と緻密な脚本が大きい。そしてダイアン・クルーガー。終盤の抑えた表現からは苦悩と葛藤が痛いほど伝わる。それがあの行動に繋がっていたと考えると、改めて胸が締めつけられる。