女は二度決断するの作品情報・感想・評価・動画配信

「女は二度決断する」に投稿された感想・評価

qudan

qudanの感想・評価

4.5
主人公を始めとした人間描写が丁寧かつ生っぽくリアリティがあって良かった。カメラワークもぐるっと回り込む動きを多用して臨場感があり計算された画作り。

序盤の爆発事件 → 家族関係の描写 → 法廷モノ → 犯人を追跡する復讐劇(サスペンス) と色を変えつつ飽きさせない構成。
そこに主人公の怒りと悲しみ、心のゆらぎと芯の強さが一本の芯を通している。

原題と離れた邦題だが、このタイトルを付けた人の気持も分かる気がする。
爆破オチなんてサイテー!という声が聴こえてきそうな終幕。いい感じに伏線が張られていて、ラジコンとかそこで使うのかよ、と思った。テロ集団はテロで殺す!という勢い、かなりタランティーノっぽい展開。ダイアンクルーガーってこんな顔だったっけ?ってずっと思いながら見てた。日本はオウム、ドイツはネオナチ、アメリカはマンソンファミリー。どこの場所にもおかしな人は居るものだなと思った。
シネマトグラフィーは素晴らしく、海は綺麗で、雨は美しく、裁判所でのドリーズームや上からのショットも良かった(裁判所のカットが半分くらいを締めてる気がする)
フィクションなので犯人野放しになっているが、現実だったら警察に一生ガッツリマークされてそうだなと。

とにかくダイアンクルーガーの演技が凄かった。目元や表情、顔色、視線、その全てが怒りと悲しみに満ちていて、そのまま死んでしまうのではないかと思った。こんなに人が泣くところは現実では見たことがないが、リアリティを感じた。アカデミー賞あげてほしい。

このレビューはネタバレを含みます

ドイツに、いや、未だ全世界に蔓延る差別と偏見の悲劇だ。被害者であり、被害者遺族であるのに責められる。法の裁きを逃れる。
第1の決断は、全てを終わらせて死ぬことにした、自殺未遂。第2の決断は、一旦辞めた復讐を完遂し、自爆する決断。死ぬ決断ではありますが、生理が再び始まった描写を挟むことで、あれが彼女が生に戻る道だった、という風に解釈しました。
本当は、クソみたいな被害者愚弄を繰り返したあの弁護士にも鉄槌を下したいのですが、そこまでするとライリー・ノース復讐の女神のように最高のエンタメになってしまってこの映画の持つメッセージが埋まってしまいそうなのでこれでよかったと思います。
清々しい気持ちで映画館を出た。清々しいわけないのに。不思議。
最後まで客観的に見れてる方は凄いなーと。私は苦しみも怒りも感謝も彼女とずっと同じ想いでした。女が女でなくなる時が一番怖いし、その時は死んでも良いと思ってます。あとやはり最期は自分一人で決断しなくちゃいけないのか、と。
音楽担当がジョシュ(Queens Of The Stone Age)という情報だけを握って映画館行ったはずが、終わってみると色んな収穫がありました。ダイアンクルーガー、移民問題、嫌な雨…。監督の別の作品も気になります。あぁ…ハマっちゃったよ。。
r

rの感想・評価

3.0
感情がこっちに伝わってくるぐらい臨場感すごかった。ヒリヒリした。
内容は重いけど、最後はうんそっかってなった。
日曜日に見るもんじゃない、1週間がんばられへん
ドイツの司法制度の洗練っぷりを見て、日本に生きる人間としてはそこに注目せざるを得ない。
よう

ようの感想・評価

4.5
移民の夫と幼き息子を爆破事件で失った女性の物語。

三部構成でそれぞれに緊張感がある。
第一章。
事件の犯人は他国の人間だとすぐ決めつけられたり、前科があるとその関連だと疑われたり。おまけに身内からも余計な一言をくらったりで、妻・嫁ならびに母親という立場ゆえの圧迫感までもがちらりと重なる。
ここらへん、日本でもたまに見るような偏見の数々を主人公は浴びるわけで、どこの国でも変わらない苦しみがあるんだろうなと。

第二章は法廷ものとしての面白さがしっかりと。被告側の父親にもグッと。
実際この判決になるのかは気になった。
第三章はずっと危なっかしい緊張感が。
〈二度目の決断〉までの持っていき方にはやられる。最後の最後までどうなるのかわからない揺さぶり。
そして余韻がもう……。現実としては肯定できないが、映画としてはメッセージ性を強めてる気もするラスト。

主人公役のダイアン・クルーガーが見事。かっこよさもありつつ、不安定な情緒を見せる所もあって、目が離せない役柄を体現。
侍のタトゥーが主人公の展開的にも象徴的。
Motoha

Motohaの感想・評価

4.4
ラストが良過ぎた。現実はハッピーエンドだけじゃない
タイトルから若干食わず嫌いしてたけど、とても良かった

ネオナチ夫婦のあのナチナチした感じ、何であんな空気作れるんですかね、本物のネオナチに見えたよ

移民と多民族・多宗教の問題は、今や日本も他人事ではなくなりつつある(今までも在日外国人がいたけれど、同化が前提だからか問題意識は低かった)
宗教にあまり頓着のない日本は比較的平穏を保てるかもしらんけど、これからは無関心ではいられんと思う

原題は「どこからともなく」とか「無の果てより」みたいな意味らしいけど、内容からすると後者の意味が妥当か

何回決断したかは正直どうでも良いです
重要なのは、結局どんな決断を下したのかでしょう

サバサバしてて大胆で率直で、強くて弱く儚い、そんな女性の人間性をまざまざと見せつけながら、深い悲しみを味わせるような映画でした

終わり方がとても印象的で余韻に浸った
ネオナチによって
愛する夫と息子を殺された

彼女の心は、ここで一度
殺されている

裁判が始まるが、
彼女の心はズタズタにされ
二度殺されたも同然の状態

心配し、支えてくれる友達や
犯人を有罪にしようと
奔走してくれる友人の弁護士
…気持ちは嬉しいが
彼らの子供の存在が
彼女の心の傷をえぐる

一度目の決断
迷いや葛藤があった

二度目の決断
…彼女の決断を理解するのは
かなり難しい
そう決断するしかなかった位
ホームビデオには愛があふれていた


個人的には闘ってほしかった
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