ざわさん

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴーのざわさんのレビュー・感想・評価

2.0
2018年 146本目

僕は心が汚いので、エンディングの「スーパー・トゥルーパー」以外何一つ響かなかったし、然程面白くない話を、良い歌に乗せることで無理矢理ハートフルなストーリーにしてるようにしか思えなかった。
前作の予習はしたし、IMAXでの上映があったので、『ボヘミアン・ラプソディ』の予告を見れればいいかなくらいの気持ちで。前作は主人公のソフィのことが嫌いになったけど、今作では母親のドナのことが嫌いなった。もうだめだ。若干ネタバレを含めながら怒りのレビューをするので、まだ見てない人と『マンマ・ミーア』好きな人は読まないでほしい。
まず、個人的な意見で、ミュージカル映画って、役者さんたちが歌って踊って、視聴者側が自然と笑顔になれるものだと思う。ただ申し訳ないけどこのシリーズは2つとも終始、極度の真顔になってしまう。決して歌が悪いわけではないし、演じてる人たちも楽しそうなんだけど、どうしてもストーリーの内容に左右されてしまうのがミュージカル映画であって。何か大切なことを伝えようとして、それを歌に乗せると素晴らしいと感じるし、逆に薄っぺらいプロットに歌を加えると、「これ、歌がなかったら絶対見ないわ」って思ってしまう。今回は、個人的には後者。薄っぺらいというよりかは、ドナの自分勝手な思考と、それを正当化するような周りの言動に腹が立つ。
まぁもちろん、ミュージカルは最も分かりやすい感情表現ではあるんだけど、歌を当てはめるタイミングを誤ると、「歌うと今までの悩みが何でも解決」になってしまう。今作でもそれは発動してしまった。たくさん言いたいところ、ツッコミたいところはあるんだけど、みんなそのことも含めて、この映画を好きなのかな。例えば、嵐が来て落ち込むソフィだけど、悲しみの歌を歌った次のシーンでは嵐の被害もソフィの傷ついた心も元どおり。婚約者がいたサムに騙されて落ち込むドナだけど、言うたら自分も少し前にハリーと一夜を共にした尻軽女だったからな。(前作で「遊んでた頃」っていう軽いフォローはあったけど。)ホテルの所有者のおばちゃんが、サムに向かって「ベッドを揺らしまくる人はダメ」的なこと言ってヘコませてたけど、ドナもだよ、おばちゃん!
ドナの過去については、1作目で概要は語られてるし、だったらそれとは違う、別のストーリーを描いてほしかった。
ざわさん

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