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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴーのyuriのレビュー・感想・評価

4.3
大好きな作品に続編ができると聞いたとき、 期待より不安が上回ってしまう映画好きは多いと思う。

「マンマ・ミーア!」の続編ができるらしいと聞いたとき、私の頭に真っ先に浮かんだ言葉は "I have a baaad feeling about this” だった。あのハッピーでご機嫌な映画を、どうかぶち壊さないでほしいと思った。

だけど。声を大にして言いたい。

マンマ・ミーア2、めちゃくちゃ良かった!!前作を好きな人は全員観に行ってほしい。

細かい部分は(いや、大きな部分も)お構いなしで、前作との整合性よりも今作の出来重視なとこは否めない。パパ3人の若い頃のビジュアルなんて完全に別物だし(ただしイケメン方向に補正されてるので嬉しい誤算)、前作だとドナのお母さんは「天にいる」みたいなことを言って死んでることを匂わせてたクセにがっつり生きてるし、その割には場内がザワつくレベルの衝撃展開を序盤で持って来るし…と、言いたいことはたくさんある。

でも、それでも、そんな大雑把っぷりでさえも「まあ色々あるよね生きてたら!」と目をつぶってしまいたくなるのがマンマ・ミーアの魔法だ。

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運命の恋も、母娘の愛情も、ありふれたテーマなのになぜかこのシリーズにかかるとぐっと来てしまう。みんなで踊り狂ってる楽しさ全開のシーンで涙が出そうになる。

この映画と一緒に生きてきた時間が長いから、みんなそれぞれ自分の物語を照らし合わせながら観ることができるのかもしれない。

前作を初めて観たとき私はまだ16歳で、田舎の一本道を自転車で走りながら親友と「ハニーハニ〜〜♡」と歌っていた。怖いものなんて何もなくて、だってまだダンシング・クイーンに歌われる「華の17歳(sweet seventeen)」だって未来のことで、好きな人と手をつないだとかキスしたなんて話題が放課後の一大事だったのだ。

そんな私も今は26歳で、あの頃一緒にはしゃいでた仲間はもう立派な母親になっていたりする。

10年前にはただのノリノリの曲だとしか思ってなかった「ダンシング・クイーン」も「マンマ・ミーア」も、今聴くとその裏側の切なさや強がる気持ちを感じ取らずにはいられない。だからこそ、若い頃のドナが失意の中で歌う「マンマ・ミーア」では涙をこらえるのに必死になってしまった。 “I shouldn’t have let you go(別れるべきじゃなかったわ)” なんてたった1フレーズの重みが、10年経つと全然違うんだもの。

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観終わったばっかりでまだ頭の中が整理できてなくって、話があっちこっち行くのを許してほしい。

今作の主役、ドナの若い頃の描写がすごく好みだった。リリー・ジェームズ演じるドナが明るくて奔放で、でも強さがあって。(全然関係ないけど、ハリポタ好きからするとリリー・ジェームズって字面、つい反応してしまうよね…)

簡単に恋に落ちちゃうし、早とちりでおばかさんな一面は否めない。でも好きな男にひらひらのワンピースを勧められても見向きもせず、サロペット姿で胸を張れる女はなかなかいないよ。かっこいい。

「この恋、このあと20年報われないんだよな…」と知ってて観てるから、ドナがひまわりみたいに笑うたびにきゅっと胸が苦しくなる。

ドナが妊娠に気づいたあとも、前作の中でドナが歌う “Slip into the Fingers” が頭の中で流れてしまうから困った。

不思議な気分だけど、ほんとうに自分のお母さんの若い頃を見てるような気持ちになった。

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まだ私は自分が母親になる覚悟なんて1ミリもできてなくて、結婚への憧れもあんまりなくて、情けないくらい自分のことでいっぱいいっぱいだ。日々SNSで流れてくる「育児辛い」という言葉に怯えているし、現実の子育てはやっぱり大変なものなんだと思う。

だけどもしいつか私に娘が出来たとして、その子と一緒にマンマ・ミーアシリーズを観てゲラゲラ笑ったり真似して踊ったり出来たらそれは間違いなく幸せなんだろうなぁなんて思った。

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以下メモ
・整合性株式会社
・若い頃のキャストみんなかわいい
・光と色の使い方好き(柔らかい光と、くすんだ青)