みーちゃん

ヴェノムのみーちゃんのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.0
娘のリクエストで観た(最近は、私が一緒に観たい映画を押し付けても上手くいかないので、娘から誘われた時には喜んで受け入れることにしてる)。

予想より良かった。VFXは「インセプション」「インターステラー」のポール・フランクリンということで、映像も違和感なく納得できた。

ヴェノムの憎めないキャラ設定と、エディの正義感は強いがあまり賢くないマッチョ的なキャラに、表面上は救われているけれど、よく考えると恐ろしい。

社会では干された自分が、シンビオートにだけは宿主としてポテンシャルを見出され、犬と元カノへの寄生を経由してまで、自分に固執し追いかけてくるストーカーぶりが尋常じゃない。他にいくらでも人間はいるのに。
 頭の中に勝手に入り込まれ、一方的に共感されて、お前に出会って事情が変わり、地球に残りたくなったと告白されたら、めっちゃ困惑。

本作では、少なくともエディ側はアクションシーンで表現されているような刹那的なパワーを実感する以上の覚醒には、まだ至っていないと思うのだけど、印象的だったのは、元カノのアン・ウェイングの車の中で、ヴェノムに「彼女に謝れ」とアドバイスされるところ。

私は、エディは彼女に謝りたいけど、きっかけを失っていたのかと思ってた。でも、彼の表情を見ると、ヴェノムに言われて初めて謝ることに気づいたのだと分かった(だからすぐ実行に移す単純さ)。あれは、ちょっと深いエピソードだと思う。

自分のメリット云々や脅迫観念より、自身が内面的に受け入れる感覚こそが複雑で、アイデンティティと共生、みたいな本質的な課題を、有無を言わせず決断しないといけないところが、おもしろかった。

※ミシェル・ウィリアムズは綺麗なのに、ヘアメイクと衣装が取ってつけたような若作りで、アイブロウも前髪も、ミニスカートの形も、コートの着方も、ついでに新品のスニーカーも、浮いている気がして仕方なかった。新作の予告編では洗練されているようなので安心した。