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ヴェノムのYのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
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【寄生されたすぎる】

シンビオートとの肉体的適正、性格相性診断、実技試験を通過し、晴れて宿主となったトム・ハーディが大暴れする映画。

あのグロテスクな出で立ちのヴェノムが、スパイダーマンとの共演に備えてR指定無しで展開されるということでちょっとした話題になりましたが、次に繋げるという面でも最高の出来栄えでした。
配給も同じSONYなので今後もとても楽しみです。

「最悪」と打ち出されたキャッチコピーとは裏腹に、彼自身はかなりユーモラスに描かれています。エディにしか聞こえない声で終始語りかけてくるヴェノムは「お前のことならなんでも知っているぞ」なんてドスの効いた声で脅してきたりしますが、エディが恋人と会話をしている最中には恋のアドバイスまでしてきます。「なんでもお見通し」ってそっちまで??という感じになりました。ギャップがすごい。


『スパイダーマン』や『ハルク』などマーベル作品だけでも、こういった化学実験や事故などのアクシデントで偶発的に力を持ってしまった系ヒーローの作品は数ありますが、手に入れたてのパワーを主人公が制御するまでの過程はやはり見どころ。
力加減がわからず暴走したり、いざと言う時に使いこなしきれず拍子抜けしながらとうとう順応していく姿はかなりテンションが上がりますね。

まずヴェノムに寄生される前からトム・ハーディがカッコイイ。出勤してるだけのシーンでもうカッコイイ。音楽も最高。

言うまでもないけれど、寄生されてからはもっとカッコイイ。かなり長いバイクチェイスシーンがしっかり描かれていて見ごたえアリ。シンビオートのパワーを思う存分みせてくれます。

さらに、銃弾をものともしないヴェノムにも、弱点がちゃんとあるのが良い。『スパイダーマン3』に登場したエディ・ブロックも、鐘の音を嫌がったり、ラストではスパイダーマンが工事現場に転がっていたパイプ同士を打ち鳴らした音で退治する描写がありましたが、今作でも音に関する設定がよりしっかり描かれていました。『スパイダーマン3』もまた観直したい。

人であるエディ、シンビオートであるヴェノム、それぞれが選択していく正義を見守るダークヒーロー映画。
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