マーチ

ヴェノムのマーチのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.4
*多少ネタバレ含みます。


【レビュー😈】

《この程度で残虐なんて失礼しちゃうわ!》

最も残虐な悪は盛りすぎぃぃぃぃぃい!!

この程度で残虐なんて言ってたらデッドプールとかウルヴァリンどうなんだよって話になってくるでしょうが!!!!笑

まあ、そんな私はシリアス調かなと思って観に行ったら予想外にコメディ色の強い内容であったことに腰を抜かしつつも、最近お堅い役柄の多かったトムハがお隣の騒音に腹を立てながらも何も言えず「ゔーーん😡💢!!」と悶えたり、高級料理店で水槽のお風呂に浸かったりと、本来合わせ持っている茶目っ気ある可愛さ全開のユーモラスな演技でヴェノムとの凸凹バディぶりを見せてくれたので、それだけで思っていたよりは楽しめました!

しかし、脚本を4人も動員(黒澤映画か!笑)して手掛けている割には流れが唐突で雑すぎる。最初こそシリアスな雰囲気で若干のスリラー要素も含みつつ進行していたのに、途中からあからさまにルーベン・フライシャー監督らしさの強いコメディものへと転換していく。結果、どっちつかずでコメディにしてもシリアスとしても中途半端なままで、調子悪い時の福田雄一監督みたいになっていたのが非常に残念でした。

そんな半端さは否めない作品であったものの、コメディ部分は全然好きな感じだったので、劇場の客の中では1番笑っていたような気がします。笑 だってあのトムハが1人パントマイムしてるんですよ!『レジェンド 狂気の美学』や『レヴェナント:蘇りし者』であんなにクールで嫌なヤツだったトムハが! 『ダンケルク』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』であんなに勇ましかったトムハが! そんなキャリアのことも頭に浮かんできちゃって大爆笑でした🤣🤣!! コミカルなトムハ最高!っていう。笑

キャスト的には大好きなミシェル・ウィリアムズが劇場で拝めただけでも最高なのに、ミニスカ全力疾走や女ヴェノム変幻が見られてお腹いっぱいになりました。笑
でもリズ・アーメッドは清潔感あってかっこよすぎるので、悪役にしては清らかすぎるというかインテリ感漂っていてあまり強大な悪人って感じは無かったかな…嫌いじゃないけど。

公開前から幾度となく聴いていたということもあってか、エンドプレクレジットでエミネムの「Venom」のイントロが流れはじめたところはワックワクでしたし、ウディ・ハレルソン出てこんやんけ!と思っていたらまさかまさかのタイミングで出てきたので驚きました。笑
あと完全に出てくることを失念していたので、スタン・リーが出てきた時には思わず「ほぉっ!」となりましたし(笑)、マーベルの映画作品を通して最もナイスでナチュラルな登場タイミングだったのではないかと思います! めちゃくちゃ意外性あるタイミングでしたもん。笑

町山智浩さんがエディ(トムハ)とヴェノムの関係性を“ど根性ガエル”と称していましたが、観た今ではすごくピッタリな表現だなと思います。エディ、つまりはひろし側がヴェノムことピョン吉側を統制できずに常に振り回されながらも、お互い共依存の関係で最終的には馴れ合うという見ているこっちが微笑ましくなってしまうあの感じが何とも心地良くて癖になってしまうんですよね。笑 そう考えると、なんとなくいいバディムービーだったのではないかと思えてきます。笑

ただやっぱり前半の寄生されるまでのくだりが長すぎて、冗長だなとは思います。海外の新聞評で「今年の『ファンタスティック・フォー』だ」と酷評されていたのもその辺りが関係しているのではないでしょうか。新生ヴェノム誕生譚なのでしっかり描いておきたいのも分からなくはないのですが、過去の作品数が多かった上での仕切り直しだからとはいえ『スパイダーマン ホームカミング』が素晴らしかったのは、その辺のくだりをスパッと切ってさっさと本題に入り、作品自体の純度を高めたからであって、そういう構成の作品創りで今後のヒーローモノの誕生譚はいいんじゃないかと個人的には思います。

忘れてしましたが、最も興奮したのがハリウッドクオリティのド迫力カーチェイスシーンです! トムハがバイクを乗り回す画がめちゃくちゃかっこいいだけでなく、さすがハリウッドという他ない容赦なく車をドッカンドッカン爆破して転がしていく様子にずっとお口あんぐり状態でした!笑 CGのクオリティもそこまで神経質に気になる箇所はなくて良かったのではないかと思います!!

というかこの作品は、R指定になっていない時点でこういう方向に進むしかなかったのかも…その辺も残念です。トムハはお気に入りのシーン全部カットされたって言っちゃってるし…やっぱりR指定込みでやった方がもっと演出と脚本の幅は広がったはず…てか態々アンチヒーローにならなくても、ヴィランのままで良かったのに!!

【p.s.】
それにしてもヴェノムは恋愛指南もしてくれるし、言われたことは守るしで案外可愛いくて単純にいいヤツでしたね。笑 ある意味その意外性が魅力の作品ではありました。

何ならアイツ(ヴェノム)は決定的に人を喰ったショットが無かったので、もしかしたら食べていないのかもしれませんよ!笑 血も全然流れていなかったし、結局のところホッコリする感じのなんかいい話でしたよね。笑

レイティングの関係で「shit」は良くても「fuck」は言わせてもらえないのか、あからさまに封じられて避けている感じが分かりやすくて、その辺もぬるかったです。笑

エンドプレクレジットも『スパイダーマン ホームカミング』と似通ってたし…

そんなことはさておき、何ですかあのエンドロール後の映像は!笑 MCUが生み出した画期的なエンドロールシステムを使って、同じソニー製作の次回作を宣伝するんじゃないよ!!笑 ハテナが浮かんだ上に作品の余韻も何もあったもんじゃないでしょうが!笑 監督はよくあれ許したよな…許可取ってないのかもしれないけど。


【映画情報】
上映時間:112分
2018年/アメリカ🇺🇸
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:スコット・ローゼンバーグ
ジェフ・ピンクナー
ケリー・マーセル
ウィル・ビール
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
出演:トム・ハーディ
ミシェル・ウィリアムズ
リズ・アーメッド
スコット・ヘイズ
リード・スコット
ウディ・ハレルソン 他
概要:マーベルコミックスに登場するキャ
ラクター“ヴェノム”が主人公のアクシ
ョン映画。地球外生命体に寄生され
たのを機に、特別な力を身につけた
ジャーナリスト“エディ”の戦いが描か
れる。
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